種別 論文
主題 プレビ-ム合成桁橋の経年変化について
副題
筆頭著者 前田幸雄(大阪大学工学部)
連名者1 松井繁之(大阪大学工学部)
連名者2 渡辺滉(川田工業大阪支社)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
6
0
先頭ページ 217
末尾ページ 220
年度 1984
要旨 1.まえがき
 プレビ-ム合成桁とは、鋼桁にプレフレクションを与えたまま下フランジコンクリートを打設し、硬化後除荷することによって下フランジコンクリートにプレストレスを与えた、いわゆるプレビ-ムと床版コンクリートとを合成した桁であり、種々の利点を有している。
 下フランジコンクリートに導入されたプレストレスは、クリ-プ、乾燥収縮によって減少するが、活荷重が作用しない状態では圧縮領域においてひびわれが閉じた状態にしている。また活荷重載荷時には応力照査の際コンクリートの引張抵抗を無視することにしており、コンクリート構造としてはCEBにおけるIII種に相当する。
 我国におけるプレビ-ム合成桁橋は、昭和43年に最初の「玉津橋」が大阪市に完成してから現在まで、道路橋、鉄道橋合わせて約250橋の実績を数えるに至り、さらに、プレビ-ムの建築構造物への適用も数多い。
 この間、桁の静力学特性、疲労特性及びコンクリートの配合、施工性を調べるため、模型桁の静的、疲労試験、打設試験を行う一方、実橋における設計、施工の妥当性、安全性及び静的、動的性状を把握するため、実橋の施工段階における応力測定、橋梁完成後の静的、動的載荷試験等も行ってきた。
 コンクリートに関しては模型桁の疲労試験により、ひびわれ荷重をやや上回る範囲においては下フランジコンクリートのひびわれは桁剛度に大きな変状を与えない事がわかっていたが、完成後相当期間を経過した実橋では供用期間中の種々の載荷荷重、クリ-プ、乾燥収縮及び架橋地点環境等の影響により、その桁剛度やコンクリートのひびわれがどの様に変化しているかを調べるため、初期に施工され、10数年間供用された9橋について目視調査を行った。又、この調査の妥当性を評価するため、固有振動数の測定及び1部の橋において現場載荷試験を行った。
 これらの結果と供用前の試験結果を比較し、既往の疲労試験結果等も参考にして本型式橋梁のひびわれ特性、剛性変化の影響について調べ、経年による安全性低下の有無について考察した。これらの結果を報告し、今後の設計、維持管理上の資料に供したい。
6.結論
 結果として、1)下フランジコンクリートには橋軸直角方向に、ほぼスタ-ラップ間隔に一致するひびわれ発生が見られるが、ひびわれ幅も小さく、また充分桁の剛性に寄与している。2)ウエブコンクリートの剛性に占める割合は小さいが、乾燥収縮の影響を受けるので、配合・部材厚には留意が必要である。3)ひびわれ性状、剛性の変化から見て、設計時に期待した安全率は充分保有していると判断できる。
PDFファイル名 006-01-0055.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る