種別 | 論文 |
主題 | 輪荷重動移動装置による道路橋床版の疲労に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 前田幸雄(大阪大学工学部) |
連名者1 | 松井繁之(大阪大学工学部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 221 |
末尾ページ | 224 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.まえがき 道路橋鉄筋コンクリート床版のひびわれ損傷問題が注目され始めてすでに10数年になる。この間、このひびわれ損傷機構に関して多くの研究がなされたが、(1)ひびわれ床版の使用限界の判定、(2)終局状態の把握、(3)終局限界に至るまでの寿命、(4)補修補強の最適時期の推定など、重要な課題はまだ解決されていない。これには適切な疲労実験デ-タが必要である。筆者らは、実橋床版の格子状ひびわれに対する原因の1つとして、荷重である自動車の移動にあると着眼し、床版疲労実験法として多点移動繰返し載荷方法(多点の載荷点を設定し、1つの載荷点で数万回づつの繰返し載荷を行い、順次載荷点を移す方法)を提案し、現在、この方法が定着しつつある。この方法によって、実橋と同様なひびわれパタ-ンが再現でき、ひびわれ増加に伴う板挙動の変化について合理的な資料を得た。しかし、除荷時にはほとんどのひびわれは閉じてしまい、ひびわれ面の劣化は再現できなかった。一方、実橋では無載荷時でもひびわれ幅が0.1〜0.3mmのものが発見され、ひびわれの劣化は著しい。この差は、後述のように作用せん断力およびねじりモ-メントの大きさと作用回数の差にあると予想される。実橋では着目点を常に荷重が通過し、その回数毎にこれら断面力の大きな振幅が生じる。よって、この通過現象を荷重の発生数と同回数で与える実験法を採用しなければならない。今回、より合理的な疲労デ-タを得るため、上記のことを考慮して、輪荷重を往復走行させる輪荷動移動装置を製作し、実物大RC床版の疲労実験を行った。ここに、その結果を示しRC床版の耐久性の主要指標である疲労強度について報告する。 5.結論 (1)動移動荷重を受ける実物大RC床版のS-N曲線を求めた。(2)このS-N曲線によると、疲労強度は定点載荷のものの約1/2に低下する。このようなS-N曲線を用いて実橋の疲労耐久性を論じる必要がある。(3)疲労強度の大幅な低下は荷重の走行によって配力鉄筋断面に作用するせん断力とねじりモ-メントが交番することにある。(4)RC床版特有の疲労破壊機構が明確になった。 |
PDFファイル名 | 006-01-0056.pdf |