種別 | 論文 |
主題 | 気中コンクリートの強度およびヤング係数に及ぼす含水分の影響 |
副題 | |
筆頭著者 | 椎名国雄(東海大学工学部) |
連名者1 | 大藪孝治(東海大学工学部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 253 |
末尾ページ | 256 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.まえがき ここでいう気中コンクリートとは、圧縮強度用試験体(φ10×20cm)で材令28日まで標準養生をしたのち、屋外、屋内または恒温恒湿室などの大気中に放置してあるもののことである。気中コンクリートを乾燥状態のまま試験する場合を乾試験とし、試験直前に水中に浸漬し吸水させたものについて試験する場合を湿試験とする。 湿試験を行う場合の水中浸漬時間をここでは45〜48時間とする。標準養生後、気中に移したコンクリートの乾試験強度は、標準養生終了直後に行った湿った状態での強度より大きく、乾燥による強度増加と説明されている。乾燥による強度増加は、気中にあったコンクリートを湿試験することで乾試験強度よりも小さいことからも知られている。一方、ヤング係数については、乾試験による値と湿試験による値との相違は僅少であり、かつ、湿試 験によるヤング係数は乾試験によるそれよりも大きい。 このような現象は気中といっても屋内と屋外とでは異なるであろうし、気中に放置されている期間の長短によっても変化すると思われる。気中コンクリートの強度やヤング係数がコンクリ-トの乾燥状態によって変化するのであれば、強度やヤング係数と含水分とはどのような関係にあるのであろうか。ここではコンクリートの含水分の単位として、含水率と相対湿度とを考えてみた。含水率は骨材の含水率と同様に、コンクリート供試体の表面および内部にある水の全重量の、絶乾状態にあるコンクリート重量に対する百分率とした。その際の絶乾状態とはコンクリ-トを105±5℃の定温器内で乾燥し、重量が変らなくなったときの重量とした。一方、相対湿度は、コンクリート供試体に予め設けた直径12mmの小空間の湿度を電気抵抗式湿度計(エ-ス鋭感湿度計)で測定した値であり、この小空間は圧縮強度試験体とは別に、φ10×20cm円柱形供試体の長軸方向に、側面から小空間の中心の位置か1.5cmと5cmとなるように鉄筋を用いてコンクリートの硬化前に引抜いて設けた孔である。湿度測定時以外は孔の上下にゴム栓を施し、大気中の湿気と遮断している。ここでは、気中として屋外(屋上、神奈川県平塚市)、屋内(実験室内で冬期スチ-ムが入る)および恒温恒湿室(20℃、65%RH)を選び、標準養生材齢28日以後気中に52週まで放置し、圧縮強度、ヤング係数および含水分を測定し、屋外、屋内、恒温恒湿室における相互の関連についての得た知見を報告する。 4.結論 気中コンクリートの乾燥による強度増進にはピ-クがあって含水率だけでは説明が困難で表面と内部との含水差(湿度差)を考慮することが必要である。 気中コンクリートの乾燥に伴うヤング係数の低下は、含水率やコンクリートの内部湿度の低下と関連づけての説明が可能であるが、吸水させた場合はヤング係数の増加か少なく含水分だけでは説明ができない劣化を含む。 |
PDFファイル名 | 006-01-0064.pdf |