種別 論文
主題 凝結遅延性コンクリートを用いた温度応力の抑制に関する研究
副題
筆頭著者 竹下治之(日本国土開発技術研究所)
連名者1 横田季彦(日本国土開発技術研究所)
連名者2 森時昭(藤沢薬品工業特薬研究開発部)
連名者3 田中 恭一(藤沢薬品工業特薬研究開発部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 285
末尾ページ 288
年度 1984
要旨 1.まえがき
 マシッブなコンクリート構造物では、旧コンクリートとの打継目や他の構造物などとの接触面において、外部拘束応力によるひびわれの発生が懸念される。打設されたコンクリ一トは、セメントの水和熱によって温度が上昇し、最高温度到達後は、放熱によって徐々に温度か降下する。外部拘束応力とは、この温度降下に伴うコンクリートの収縮が、隣接する拘束物によって妨げられることにより、コンクリート中に引張として発生する応力であり、これがコンクリートの引張強度を越えるとひびわれが発生する。外部拘束応力によるひびわれについてはこれまで種々の研究がなされているが、新コンクリートと拘束物体との断面積比、弾性係数比などによって拘束度が異なるなど未解明な点が多く、外部拘束応力を低減させる的確な対応策も確率されていない。
 本研究は、旧コンクリート打設の約3週間後、打継目に凝結遅延剤を添加した遅延コンクリート層を打設し、続いてコンクリートを打設した場合、新コンクリートに対する旧コンクリートの拘束度の低減による、温度ひびわれの発生防止効果について検討を行ったものである。
4.まとめ
 今回の実験において、供試体表面にひびわれの発生は確認されなかったが、温度およびひずみの計測をもとに考察を行った結果、以下のことがわかった。
(1)コンクリートの打継目に遅延コンクリートを打設することによって、新コンクリートの温度の降下速度および拘束度が小さくなり、外部拘束応力を低減することができる。
(2)遅延層のコンクリートは、層厚10cm程度、遅延剤の添加量0.45〜0.65%が効果的である。
(3)遅延コンクリートの強度は、材令28日では標準コンクリートと同等もしくはそれ以上の値を有する。
(4)遅延コンクリートの上に標準コンクリートを打継いだ場合、若干の強度低下は認められたが、構造上は十分な強度を有するものと考えられる。
(5)打継目に遅延コンクリートを打設しない供試体の拘束度は、打継目から150mmの位置で最大となり、打継目近傍ではそれより少し小さな値となった。
(6)拘束度は、コンクリートの材令によって変化し、最高温度到達時から材令5日の間で大きな値をとる。
5.あとがき
 今回の実験によって、コンクリートの打継目に遅延コンクリートを打設することによって、外部拘束応力を低減することができることがわかった。しかし、実施工に広く応用するには未解明な点も残されているため、今後は、実規模モデルによる実験等を行い検討を続けたい。
PDFファイル名 006-01-0072.pdf


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