種別 | 論文 |
主題 | 鋼繊維補強コンクリートの衝撃荷重下における変形性状 |
副題 | |
筆頭著者 | 下村弥(神戸製鋼所スラグ・建材部) |
連名者1 | 亀井和郎(神戸製鋼所スラグ・建材部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 317 |
末尾ページ | 320 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.まえがき 鋼繊維補強コンクリート(SFRC)は、脆性材料である普通コンクリートの欠点を改善し靭性に優れた材料であり、多くの力学的特徴を有している。近年、この特徴を有効に活用させる利用技術も進歩し、鋼繊維補強コンクリートの適用分野が拡大してきている。 鋼繊維補強コンクリートの静的力学特性については、既に数多くの研究が行なわれ、その成果として試験方法、評価方法も公表されている。一方、動的力学特性についても研究が進められ、特に耐衝撃特性が非常に優れていることが明らかにされてきている。しかし、耐衝撃性を目的とした実際の使用例は数少ないのが現状である。 本研究は、近接トンネルの施工に際し、後続トンネル掘削時の発破衝撃をくり返し受ける先行トンネルの一次覆工吹付けコンクリートへ鋼繊維補強コンクリートの適用性を確認するために、普通コンクリートと鋼繊維補強コンクリートとの耐衝撃特性の比較を実験的に行なったものである。なお、発破による衝撃が対象のため、一般的には衝撃速度の速いいわゆるハ-ドな衝撃と考えられるが、トンネル現場におけるコンクリート測定の結果、波形の立ちあがり時間が数msecと長いことから、いわゆるソフトな衝撃の範囲であると認められた。このため、実験もソフトな衝撃条件とし、簡便である落錘式衝撃試験方法により実施した。 5.結論 (1)供試体の加速度を測定し、これを2回積分して得られるたわみ波形は、非接触変位形により直接測定したたわみ波形とよく一致した。加速度計によるたわみ測定は十分実用的であることが示された。 (2)ひずみ波形とたわみ波形が異なる波形を示すことから、ひずみ波形は衝撃時の弾性波の影響を受けるものと考えられる。 (3)くり返し衝撃によるコンクリートの劣化程度は、くり返し回数の進展とともに変化する引張ひずみ最大値の低下によって把握できる。 鋼繊維補強コンクリートとすることにより、1回の衛撃で同一たわみとするには衝撃荷重が増加すること、またくり返し衝撃ではくり返し回数が著しく増加し、衝撃靭性の非常に大きいことが判明した。さらに、実用的な耐衝撃性の向上には鋼繊維混入率1.5%以上が必要であると確認できた。 |
PDFファイル名 | 006-01-0080.pdf |