種別 論文
主題 ポリアミド系繊維補強セメント板の強度及び変形特性
副題
筆頭著者 大岸佐古(名古屋工業大学)
連名者1 小野博宣(中部大学工学部)
連名者2 棚橋勇(名古屋工業大学)
連名者3 片岡一則(名古屋工業大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
6
0
先頭ページ 333
末尾ページ 336
年度 1984
要旨 1.まえがき
 建築用、セメント系材料の補強材として長年使用されて来た、天然無機質繊維である石綿も、最近では資源の固渇化と、生産従事者の健康障害が心されるなど、多くの問題を有しており、将来の展望はきわめて厳しい状況下にある。それ故、それに代わる繊維の開発が望まれており、耐アルカリガラス繊維、カ-ボン繊維などがその代替繊維として有望視されており、実用化が進んでいる。一方、セメントモルタルヘの高分子繊維の補強に関する研究は、初期のS.Goldfein(米)、森、河野のPVA繊維の適用、久保田、坂根らの研究、筆者らの研究などにみられる通り多くの研究者によって改善効果の増大への試みがなされて来た。その効果は、前後して進展した金属、耐アルカリガラス繊維に比べ強度改善上、顕著な効果が認められなかった。その後、D.J.Hannantらによる長繊維ネット状フィルムの開発研究や筆者らの研究によっても高分子とセメントモルタルの複合方法の改善に寄与する方向が示された。しかし、高分子単繊維の補強に関しては、繊維の強度、耐熱性、セメントとの付着力など依然として改善すべき諸問題が残っている。ところが、最近ポリアミド系高分子繊維は強度、耐熱性に優れた性能を発揮し、従来からのセメント系複合材への応用上の懸念を解消出来るものと思われる。本研究はポリアミド系高分子繊維で補強したセメントモルタル板の曲げ強度と撓み変形の特性を、実用化されている繊維も含め種々の繊維と比較しながら実験的に検討した。
4.結論
 ポリアミド系ケブラ-繊維補強モルタル板の実験結果より次の事項が結論として述べられる。
1)曲げ強度における補強効果は顕著であり耐アルカリガラス繊維、金属繊維に相当する。最適条件は、繊維長25mm、、混入量3%vol.である。
2)変形性能における補強改善効果も優れており、靭性評価においても、ピアノ線と同等の値を示すなど、耐アルカリガラス繊維、カ-ボン繊維より効果的である。
3)ケブラ-繊維の利用にあたっては、集束条件も、セメントモルタルの性能改善上、その寄与率が高いのでセメントモルタル板の製造の手法により適切な種別を選択するのが望ましい。
PDFファイル名 006-01-0084.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る