種別 論文
主題 含浸法による収縮低減剤の利用
副題
筆頭著者 富田六郎(日本セメント中央研究所)
連名者1 城所卓明(日本セメント中央研究所)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 361
末尾ページ 364
年度 1984
要旨 1.まえがき
 特珠な有機化合物である収縮低減剤をセメント混合物に混和すると、乾燥収縮を大幅に低減できることが実験的に確かめられている。また、その主要な機構が毛細管張力を弱めることに起因するとの説明もなされてきた。
乾燥収縮がセメント硬化体中の毛細管空隙に存在する液体の表面張力の影響を受けるならば、硬化後の混合物に何らかの方法て収縮低減剤を含浸させることによっても収縮の低減を計れると考えられる。
 本研究は、初期に乾燥した数種の配合のモルタル供試体に表面から収縮低減剤を含浸させて、その後の収縮性状を基礎的に検討したものである。
5.結論
 硬化後のモルタル供試体に表面から収縮低減刺を含浸させたときの、その後の乾燥に伴なう収縮挙動を基礎的に検討した。その結果、練りまぜ時に混和しないで硬化後に収縮低減剤を含浸させても乾燥収縮を低減できることが分かった。本研究で碍られた要旨をとりまとめると、概略下記のとおりである。
 相当程度乾燥の進んだモルタルに多量の収縮低減剤を含浸させると、膨潤により収縮が大幅に回復する。その後乾燥を続けても含浸前に生じただけの重量減水率に達する迄収縮は進行しない。すなわち、含浸前の乾燥期間に生じる非回復性の収縮の影響が大きく現れる。そこで比較的早い材令で収縮低減剤を含浸させると、最終的な収縮量を一層低いレベルに抑えることができ、同一含浸量に対する収縮低減効果も大きくなる。また、水セメント比が小さいものほど含浸の効果は大きくなる。以上のような収縮低減作用は、収縮低減剤を混和した場合と同様に空隙中に残存する水の表面張力低下機能が関与していると考えられる。
 早期材令でセメントに対して3%迄の範囲で少量含浸させた結果によると、混和した場合と何等か若干小さい収縮低減効果を示す。また少量含浸させた場合には水セメント比の影響はそれほど顕著ではないが、緻密な構造を有するモルタルに収縮低減剤を含浸させることはより効果的といえよう。
PDFファイル名 006-01-0091.pdf


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