種別 論文
主題 重ね継手を有する合成断面はりの曲げ特性
副題
筆頭著者 遠藤達巳(電力中央研究所)
連名者1 青柳征夫(電力中央研究所)
連名者2 金津努(電力中央研究所)
連名者3 内田裕市(清水建設研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 381
末尾ページ 384
年度 1984
要旨 1.まえがき
LNG地下タンク、送変電施設をはじめとする地下構造物の施工において仮設構造物として使用されている連続地中壁(以下連壁)を本体構造として用いる場合、円周方向の曲け耐力を確保する観点から、連壁の各エレメント間に鉄筋重ね継手を設けなければならない。その際、水平継手を有する連壁、さらにはこの連壁と本体壁の合成断面の変形および耐力を適切に評価し、設計に反映させる必要がある。単体の連壁に関しては、継手長さをある程度確保すれば、継手のないものとほぼ同等の性能が得られることを確認している。
 本研究は、重ね継手を有する連壁部はりと後打ち部はりを合成したはりの曲げ変形、ひびわれおよび破壊性状を明らかにし、合成断面における重ね継手の存在の影響ならぴに連壁に加わる先行圧縮応力を模擬した軸力の影響を明らかにすることを目的として実施したものである。さらに、合成断面はりにおける高応力繰返しの影響を明らかにすべく、はり部材の曲げ実験を実施し、その結果について考察を加えたものである。また、重ね継手のような弱点を有するRC部材へのFEM解析手法の適用性についても検討を加えた。
6.まとめ 
 連壁と本体壁の合成壁の曲け性状を模擬した鉄筋継手を有する合成断面はりの曲け実験、およぴこの部材のFEM解析を行なった結果、次の結論が得られた。
1)本実験で用いた重ね継手方式では、割裂破壊は起さず、耐力的にも継手の無い試験体と同等であった。
2)曲げひびわれは、仕切鉄板部および継手端部に集中する傾向にあった。
3)変形能については、重ね継手の存在による顕著な相違は認められず、塑性変形能こついては若干の劣化は認められたものの、十分な靭性を保有していた。
4)高応力繰り返しにおいては、応力レベルが高くなるにつれて、塑性変形能が小さくなるが、耐力は単調載荷と同等であり、靭性も単体はりに比べて、特に劣ることはなかった。
5)降伏荷重の95%において30回の繰り返し載荷を行なった結果、初回載荷時に対する剛性残存率は0.8程度であった。
FEM解析を適用することによって、弱点となる仕切鉄板部および重ね継手部が存在する試験体の曲げ挙動のシミュレ-ションが可能であることが確かめられた。
PDFファイル名 006-01-0096.pdf


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