種別 | 論文 |
主題 | 既存鉄筋コンクリート建築物の耐震補強工法に関する実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 塩原等(東京大学大学院) |
連名者1 | 細川洋治(東京大学工学部) |
連名者2 | 中村哲也(東京大学大学院) |
連名者3 | 青山博之(東京大学工学部) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 405 |
末尾ページ | 408 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.序 耐震性能の劣っていると判断される鉄筋コンクリート建物の耐震補強は現在増設耐震壁が中心になっている。その信頼性を確認するため実験的研究が急がれており、実験デ-タが蓄積されつつある[1]。しかし、補強の設計の方法は対象となる建物によって数スパン連続した壁を置くもの、単独スパン壁を置くものなどさまざまで、補強に使用される材料や工法も新しい物が開発され問題を複雑にしている。そこで、このような場合にも適用される合理的な設計法として、実験値と良く対応する。破壊の機構を考慮にいれた解析的な強度計算法の開発が望まれている。 本研究は、補強の対象となる既存建物として在来型の、せん断補強が少なく靭性の低い中低層の骨組で、補強方法に連層1スパンの鉄筋コンクリート増設耐震壁を想定した曲げ降伏する試験体の静加力実験をして、その補強効果について耐力、変形能の面からから検討する。さらに、柱・壁の打継部の一定軸力下の直接せん斬による静的1方向加力実験の結果から、打継部の性状が壁の曲げ耐力におよぼす効果を検討した。なお増設耐震壁の実験は、継続して行なわれてきた耐震補強実験[2]の一部である。 4.結論 後打ち耐震壁の静的正負繰り返し載荷実験と壁柱打継部の直線せん断実験から以下のことが結論される。 1 せん断耐力の低い在来型の骨組を1スパンだけ鉄筋コンクリート増設耐震壁で補強した場合、一体打ち壁の7.5-8割り程度の耐力が発揮されしかも部材角1/100まで十分な変形能があることが確認された。またここに述べたコンクリートの打設法のよって壁と骨組の打継のずれに対して有効に応力を伝達させることができた。また、曲げの卓越する増設耐震壁の曲げ耐力が一体打ちに劣る原因は、アンカ-筋の引き抜けによることが確認された。 2 柱主筋が丸鋼であっても後打ち耐震壁の性能は、耐力、変形能で異形鋼のものより劣ることはなかった。 3 カプセル式樹脂アンカ-は、使用した2社のアンカ-の定着長に違いがあるので比較は難しいが、せん断面のずれ量と耐力には小さな差が見られた。 |
PDFファイル名 | 006-01-0102.pdf |