種別 論文
主題 ひびわれに関する実験資料の整理・利用方法
副題
筆頭著者 大久保全陸(九州芸術工科大学芸術工学部)
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キーワード
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先頭ページ 425
末尾ページ 428
年度 1984
要旨 1 まえがき
 鉄筋コンクリート部材の破壊実験が行なわれると、荷重・変形・歪等の力学的諸量の測定とともに、その時の荷重あるいは変形レベルでのひび割れ状況が観察される。ひび割れ観察の結果は、通常、スケッチや写真撮影によって記録されるが、それらの試料は、試験体の力学的挙動の定性的な説明に用いられたり、時には、単に実験記録として整理されるままに終ることもあり、ひび割れを定量的に処理・検討されることは少ない。
 本研究は、実験によって得られたひび割れ資料をデイジタル量に変換して整理し、これを活用するための手法について検討を進ているものである。ひび割れは、XY座標平面上のベクトルの集合として扱うか、または、XY座標値で表わされる点の集合として扱うと、ひび割れの数値処理が可能となり、デ-タ収録・分析・再生が容易となる。ひび割れをXY座標値に変換して処理する方法として本研究では、スケッチや写真等の資料についてデイジタイザ-で入力処理する方法と、実験時に高性能ビデオカメラを用いてひび割われを直接計算機に入力して画像処理する方法の二つについて検討を進めている。本報告では、過去に行なわれた一実験のひび割れ写実を基にして、パソコンとデイジタイザ-によってひび割れを数値処理し、これを収録・分析・再生した結果の一例について報告する。
5 結び
 実験によって得られたひび割れ写真を基に、ひび割れ性状を数値処理して収録・分析・再生する一手法について検討した。ひび割れ資料を本数・位置・長さ・ひび割れ幅(今回は、ひび割れ幅の実験資料が乏しく未検討)等の数値で扱うことが容易となると、強度・変形レベルや破壊性状に影響を及ぼす力学的諸要因等とも関連させてひび割れ性状の定量的検討が可能となる。このような資料が蓄積されると、その結果を例えば、耐震設計におけるひび割れ発生予測図的な視覚的設計資料の整備や震災構造物の被害度判定のための参考資料の整備などのために活用する道が開けてくることも考えられる。本報では、未検討であったひび割れ幅を追加する手法も含め、今後さらに検討を行なうつもりであるし、終りに、本報告は、昭和58年度文部省科研費(一般B)の一部である。
 本研究を進めるにあたり、出西修君(本学卒論生)に多大な協力をいただいた。ここに記して感謝します。
PDFファイル名 006-01-0107.pdf


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