種別 | 論文 |
主題 | 構造体コンクリートの力学的非均質性に起因するRC部材の力学挙動 |
副題 | |
筆頭著者 | 小阪義夫(名古屋大学工学部) |
連名者1 | 谷川恭雄(三重大学工学部) |
連名者2 | 山田和夫(名古屋大学工学部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 437 |
末尾ページ | 440 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.はじめに 筆者らは、これまでにRC構造物の安全性評価を目的として、コンクリート強度の材料固有の変動、構造体コンクリート強度の部材位置による変動、部材内部におけるコンクリート強度の変動を考慮したRC部材の非弾性解析手法などについて、一連の基礎的研究を行ってきた。これらのうち、RC部材の非弾性解析手法については、これまでの線材解析手法を拡張して、横補強筋やせん断力による多軸効果、主筋とコンクリート間のすべりおよび部材端における主筋の抜け出し効果、せん断力に起因するクラックの進展状況とクラック間隔などを考慮に入れた新たな分割要素法を提案するとともに、その妥当性を示した。また、解析結果と実験結果との比較の際、実状に合せて打込み高さ方向のコンクリート強度の変動を考慮して解析すると、解析結果は実験結果にさらによく合致することを指摘した。本研究では、引き続き構造体コンクリート強度の部材内部での統計的変動がRC部材の力学挙動や崩壊過程に及ぼす影響を解明するために、筆者らが先に提案した解析手法を用いたシミュレ-ション解析によって、純曲げ、軸力・曲げ、並びに軸力・曲げ・せん断荷重を受けるRC部材の力学特性について検討する。 ただし、本研究では、RC部材の耐力や変形特性などの確率分布性状については言及しない。これは、本解析手法を用いてRC部材の力学挙動のバラツキを検討するためには、膨大な計算時間が必要で、事実上解析が極めて困難なためである。 4.結論 本研究によって得られた結果は、およそ次のように要約できる。 1)主筋のすべりを無視した場合、純曲げを受けるRC部材の断面曲率は、引張クラックの発生・進展が活発な段階では、コンクリート強度の部材内部での変動に応じ部材位置によって複雑変化するが、大変形領域になると、曲率分布の変動は小さくなる。しかし、主筋とコンクリート間のすべりおよび部端における主筋の抜け出し効果を考慮すると、大変形領域において曲率がRC部材の特定領域で急増する傾向を示す。 2)RC部材の力学特性は、RC部材両端の回転を拘束する形式で逆対称曲げ・せん断載荷を行った場合、部材内部のコンクリート強度の変動にそれほど影響されないが、曲げモ-メント分布が常に逆対称分布となるように載荷した場合には、RC部材の力学特性は部材内部のコンクリート強度の非均質性に著しく影響される。 |
PDFファイル名 | 006-01-0110.pdf |