種別 | 論文 |
主題 | 耐力の低下を考慮した鉄筋コンクリート断面の二軸曲げモデル |
副題 | |
筆頭著者 | 市之瀬敏勝(名古屋工業大学工学部) |
連名者1 | 滝口克己(名古屋工業大学工学部) |
連名者2 | 吉井正行(名古屋工業大学大学院) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 581 |
末尾ページ | 584 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.序論 水平二方向の地震外乱を受ける鉄筋コンクリート骨組を部材レベルから応答解析するためには、柱の二軸復元力モデルが必要となる。これまで、柱の一軸復元力特性を二軸に拡張する方法としては、滝沢のように、金属塑性論とのアナロジーが多く用いられてきた。しかし、Druckerの安定硬化条件を仮定する限り、図1のような、耐力が低下する柱の一軸特性を塑性論のみによって二軸に拡張することは困難である。 最近、ひずみ軟化を考慮した材料の多軸構成則がいくつか提案されている。Bazantらは、Dougillの弾性破壊理論をもとに、応力空間上に塑性ポテンシャルを、ひずみ空間上に破壊ポテンシャルを仮定したコンクリートの塑性破壊理論を提案した。また前川らは、ひずみ空間上に塑性ポテンシャルを仮定し、最大等価ひずみに応じて弾性係数を低下させることにより、コンクリートの弾塑性破壊モデルを導いた。 本報は、「仮想モーメント」平面上に(擬)塑性ポテンシャルを、曲率平面上に破壊ポテンシャルを仮定することにより、耐力が低下する部材断面の一軸曲げ復元力特性を二軸に拡張する。また、平面保持仮定による断面解析を行って、仮定した塑性ポテンシャルと破壊ポテンシャルの移動・拡大(縮小)ルールと比較する。なお、本報では、列ベクトルを{}で、行ベクトルを「」で、行列を[]で表示する。 4.結論 (1)曲率平面上に破壊ポテンシャルを仮定することによって、二軸曲げを受ける部材断面の耐力低下現象をモデル化できる。実モーメントから破壊モーメントを差し引いた仮想モーメント平面上で塑性ポテンシャルを仮定することによって、耐力低下時にも塑性変形が進行し塑性ポテンシャルが移動・縮小するというモデル化が可能となる。また、対称な瞬間剛性行列が得られる。 (2)円形RC柱断面および中空RC杭断面の平面保持解析を行ったところ、降伏曲面・破壊曲面が、載荷方向には縮小・拡大しその反対側では初期の形状を保存するという、本報の仮説と類似の傾向が見られた。しかし平面保持解析では載荷方向と直交方向へも縮小・拡大する傾向があり、本報の仮説についてはさらに検討を要する。 |
PDFファイル名 | 006-01-0146.pdf |