種別 | 論文 |
主題 | 鉄筋コンクリート不静定構造部材の変形に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 高橋義裕(北海学園大学工学部) |
連名者1 | 角田与史雄(北海道大学工学部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 597 |
末尾ページ | 600 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.まえがき RC不静定構造物の設計において、現在一般に、構造解析には全断面を有効とする弾性理論により、また断面解析にはコンクリートの引張抵抗を無視する応力理論または終局強度理論により設計が行われている。しかし実際には、ひびわれ発生後は非線形性が強く現れ、鉄筋降伏後は大きな塑性変形を生ずる。従って構造解析においてもこれら非線形成を考慮する理論を用いる方が合理的と言えるが、現実には必ずしも実用的であると言い難い。そこでより現実的な方法として、弾性解析を基調としながら非線形性の影響を近似的に反映させる簡易法が望まれることになる。しかし、この種の近似法を実用化するには、今後多くのケーススタディを積み重ねていく必要があろう。本研究は、その一つとして終局限界状態に対してモーメント再分配を行って設計したRC連続桁および拘束断面力を受けるRCラーメンをとり上げ、RC不静定部材の断面力および変形の非線形特性について実験的に解析したものである。 5.まとめ 本研究では、RC不静定部材の断面力および変形の非線形特性についてのケーススタディとして、中間支点曲げモーメントの-35〜+25%の再分配を行って設計したRC二径間連続桁、並びに強制変位による拘束断面力を与えたRC箱形ラーメンの載荷実験を行った。得られた主な結果を列記すれば、次のとおりである。 1)モーメント再分配や拘束断面力にかかわらず、崩壊荷重は塑性解析による計算値を上回り、十分な塑性変形能力が示された。 2)軸力がある場合の曲げ剛性としてBranson式を、また軸力がある場合の変形剛性には堺らの式を用いて行った非線形解析による計算値は実測値と良い対応を示した。 3)終局時に対してモーメント再分配を行って設計すれば、使用状態における曲げモーメントの再分配も起るが、その比率は終局時ほど大きくないため、使用性状にとって不利になり易い。その程度は再分配する方向によって異なり、崩壊荷重らは同じであっても鉄筋が最初に降伏する荷重がかなり低下することがある。 4)斜ひびわれが発達すれば鉄筋ひずみは通常の非線形解析による計算値を上回るが、いわゆるモーメントシフトを考慮すれば、計等値は実測値に対応させることができる。 5)拘束断面力がなく、荷重による断面力のみの場合には、弾性解析による計算値はひびわれ発生後も非線形解析による計算値と著しい差は生じないが、拘束断面力については両者に大きな差があり弾性解は断面力を過大評価する。 6)ひびわれ発生後の拘束断面力を、コンクリート引張抵抗を無視する曲げ剛性を用いて弾性解析によって計算しても有用であるこが多いと考えられる。 |
PDFファイル名 | 006-01-0150.pdf |