種別 論文
主題 鉄筋コンクリートスラブの衝撃応答特性について
副題
筆頭著者 大沼博志(電力中央研究所)
連名者1 伊藤千浩(電力中央研究所)
連名者2 岸徳光(室蘭工業大学)
連名者3 能町純雄(北海道大学工学部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
6
0
先頭ページ 637
末尾ページ 640
年度 1984
要旨 1.まえがき
 原子力発電所の格納施設建屋の設計は、従来、地震荷重、仮想事故時の圧力上昇、温度上昇等を主要な荷重とし行われてきたが、仮想事故時に再循環ポンプのインペラ破片、低圧タービンの動翼などが飛来物となることが想定され、これらの飛来物に対する耐衝撃性を検討して構造物の安全余裕度を確認しておく必要があると思われる。また、この外にコンクリート構造物が受ける衝撃としては、道路や鉄道におけるロックシェッドへの落石、橋脚、電柱への車の衝突、海洋構造物への船舶の衝突など数多くのものが考えられる。鉄筋コンクリートは、コンクリートと鋼材の複合材料であるため、その衝撃応答は極めて複雑である。また、その設計に際しては、終局耐力を考慮しなければならないので、塑性的挙動や破壊現象が問題となり、解析、数値シミュレーションもまた複雑となる。このため、衝撃荷重を受けるコンクリート構造物の設計方法はいまだ十分に確立されていないのが現状である。
 本研究は、これらの鉄筋コンクリート構造物の耐衝撃性を解明し、さらに耐衝撃設計法を確立するための基礎資料を得る目的で、鉄筋コンクリート製スラブによる衝撃実験を実施して、終局耐力、破壊モード、応力波の伝播などについて検討したものである。
4、結論
 重量70kg、衝突速度50M/sec以下のハードな模擬飛来物を用いた鉄筋コンクリートスラブの衝撃実験から次の結論が得られた。
(1)鉄筋コンクリートスラブにハードな壊擬飛来物を衝突させる場合には、スラブは押抜きせん断によって破壊し、また予想されたように最大衝撃力は静的な押抜きせん断耐力よりも相当に大きいことが示された。
(2)鉄筋コンクリートスラブの侵徹深さは衝突速度の2乗、すなわち運動エネルギーに比例することが明らかにされた。また、侵徹深さの算定に従来よく用いられてきた修正NDRC式は本実験結果よりも著しく控え目の算定値を与えることが示された。従って、鉄筋の影響を考慮に入れた算定式が必要であると考えられる。
(3)スラブ下端の鉄筋ひずみは、衝突直後に圧縮ひずみが生じるなど衝撃に特有な応答履歴が得られた。この現象は応力波の伝播から定性的に説明することができた。
PDFファイル名 006-01-0160.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る