種別 | 論文 |
主題 | 海洋構造物の各種接合部の載荷実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 横井聰之(運輸省港湾技術研究所 構造部) |
連名者1 | 清宮理(運輸省港湾技術研究所 構造部) |
連名者2 | 横田弘(運輸省港湾技術研究所 構造部) |
連名者3 | 大越康史(運輸省港湾技術研究所 構造部) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 673 |
末尾ページ | 676 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.まえがき 海洋空間あるいは資源を有効に利用するため、ジャケット式海洋構造物、スリット式海洋構造物等の新しい形式のコンクリート製海洋構造物の建設が積極的に計画・実施されている。海洋環境下では、施工の方法がかなり限定されることから、PCプレキャスト部材の採用が考えられる。プレキャスト部材同志の接合方法に関しては、陸上の構造物を対象として既に研究が実施されている。しかし、強大な波力を正負両方向から繰返し受け、耐久性や安全性の観点からひびわれ幅を制限しなければならない海洋構造物では、接合方法の選定及び接合部の設計法の確立が重要な項目となる。このようなことから、海洋環境下で施工が可能な接合様式を選定し、それらの構造の強度・変形性状、ひびわれ性状.疲労性状等を把握する必要がある。本報告では、この内、5種類のPCによる接合構造を対象に静的載荷実験を行い、接合面を設ける構造と設けない構造とで強度・変形性状、ひびわれ性状がどのように異なるかを比較し、海洋環境下で採用可能なプレキャスト部材同志の接合方法の検討を行った結果について述べる。 4.結論 今回検討の対象とした5種類の接合構造の静的繰返し載荷実験により得られた主要な結論は、以下のとおりである。 (1)終局曲げモーメントは、一体構造と接合構造とでは大きな差はなかった。ただし、接着剤接合構造の終局曲げモーメントは、他の供試体よりも下回った。 (2)ひびわれの性状は、各供試体とも柱部材のつけ根において曲げひびわれが卓越していた。ただし、場所打接合では、母材と場所打部との打継目に、また接着剤接合では接着部にひびわれが集中した。ハンチ接合では、ハンチ内にせん断ひびわれが認められた。 (3)ひびわれ幅に閑しては、いずれの供試体でもCEB-FIP(1978年)の式による計算値よりも小さく、同式によりひびわれ幅は安全側に算定できた。 (4)接着剤接合構造は、他の構造と比較して、同一曲げモーメントに対するひびわれ幅が大きかった。したがって、ひびわれ幅の観点から、この接合様式の海洋構造物への採用には注意を要する。 (5)プレキャスト部材同志の接合構造での強度‐変形性状、ひびわれ性状等は一体構造と大差なかった。静的載荷試験の範囲では、海洋構造物にプレキャスト部材を用い、接合面を設ける構造様式を採用寸ることは可能であると考えられる。 |
PDFファイル名 | 006-01-0169.pdf |