種別 論文
主題 動的荷重を受ける鉄筋コンクリート部材の力学的特性及び破壊性状
副題
筆頭著者 陸好宏史(埼玉大学工学部)
連名者1 町田篤彦(埼玉大学工学部)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
6
0
先頭ページ 693
末尾ページ 696
年度 1984
要旨 1.まえがき
 動的荷重を受ける鉄筋コンクリート(RC)構造物の挙動は静的外力下におけるものと比較して、かなり異なることが認められている。例えば、一方向動的荷重を受けるRC部材の曲げ耐力は載荷速度により著しく異なること。あるいは載荷速度によるせん断耐力の増大率は曲げ耐力は比べて大きいことなどが報告されている。また、動的載荷を受けるRC部材の変形能は静的外力下におけるものと比べて低減する傾向も指摘されている。さらに、破壊性状に関しては、静的荷重下において曲げ破壊をしたものが、動的荷重下ではせん断破壊を生じた例も報告されており、載荷速度による終局破壊形式の変化、あるいはじん性が低減する現象はRC構造物にとって極めて重要な問題である。しかし、過去における研究例ではRC部材の力学的特性に影響を及ぼす要因、あるいはコンクリート及び鉄筋の動的材料特性との関係については十分に解明されていない。さらに、載荷速度が終局破壊形式に及ぼす影響についてはほとんど明らかにされていない。
 本研究は、主に地震のような動的荷重を対象として、RC部材の一方向動的載荷実験を行い、動的荷重下におけるRC部材の力学的特性及び終局破壊形式に及ぼす影響とその要因をコンクリートと鉄筋の動的材料特性を用いて実験的に明らかにしようとしたものである。
4.結論
(1)動的荷重を受けるRC部材の耐力は、静的荷重下における耐力と比べて著しく増大することが認められた。この場合、曲げ耐力の増加はひずみ速度による鉄筋の降伏点の上昇を考慮することによって推定することが可能である。しかし、せん断耐力に関しては、静的荷重下におけるせん断破壊機構と同じように扱うことはできないと思われる。
(2)地震などにより通常起こり得ると考えられる載荷速度に対して、RC部材の終局破壊形式は異なる場合があることが確認された。本実験では、終局破壊形式の相違は主鉄筋降伏後に生じており、鉄筋が降伏してからのせん断耐力の低減する程度は動的による方が大きくなることが主な原因であると考えられる。
PDFファイル名 006-01-0174.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る