種別 | 論文 |
主題 | 間柱付耐震壁の力学的挙動に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 狩野芳一(明治大学工学部) |
連名者1 | 田中清(フジタ工業技術研究所) |
連名者2 | 藤原敏夫(フジタ工業技術研究所) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 721 |
末尾ページ | 724 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.まえがき 我国に数多く存在する中低層鉄筋コンクリート造建物には、所謂せん断壁(せん断破壊する耐震壁)と呼ばれる耐震壁が散在している。この種の耐震壁の長所は強度・剛性が高いことであり、欠点は変形性能に乏しく破壊が急激なことである。従って、この種の耐震壁は強度依存型の耐震設計においてのみ用いられて来ている。 筆者等は、既に耐震壁の板内にせん断強度が異なる領域を設けて、せん断強度が小なる領域を先行破壊域とすることにより、上記せん断壁の破壊モードをじん性に富むものに改善し、変形を考慮した設計においても用いられ得るせん断壁の研究を行って来ている。その一環として本研究では、耐震壁の水平断面を変断面にし、間柱状の断面と配筋が施こされた部分と間柱部の断面厚よりも相対的に薄い壁板部とから成る耐震壁を製作し、簿壁部への応力及び破壊の集中度合を実験的に検討した。その結果、良好な破壊・変形性状が得られたのでここに報告する。 4.結び 本実験より、間柱のせん断スパン比を1.5とし簿壁幅を間柱幅と等しくした場合、簿壁と間柱の板厚比が1/3〜2/3の範囲にあれば、間柱付耐震壁の薄壁郡に損傷を集中させることが可能で、かつ薄壁破壊後は全体の抵抗機構をラーメン型の抵抗機構に移行させ、水平変位の履歴特性を安定したものにすることが出来る結果を得た。 また、最大耐力は、薄壁と間柱との板厚比が1/3〜1/2の範囲にあれば既往の算定式である広沢式により大略推定出来、耐力低下後の維持耐力も、薄壁の横筋のせん断強度が曲げ戻し効果として寄与するとして求めた間柱を含むラーメンの曲げ崩壊機構の水平耐力計算値により推定出来ることが判った。 今後は、耐震壁の形状が種々変化した場合について実験的に検討を行うと共に、簿壁破壊時の抵抗機構の解明と本耐震壁を有する建物の応答性状について解析的検討を行う必要があると考えている。 |
PDFファイル名 | 006-01-0181.pdf |