種別 論文
主題 面内力を受ける鉄筋コンクリート平板の非線形有限要素解析
副題
筆頭著者 井上範夫(鹿島建設武藤記念研究室)
連名者1 小鹿紀英(鹿島建設武藤記念研究室)
連名者2 鈴木紀雄(鹿島建設武藤記念研究室)
連名者3 速水由紀夫(鹿島建設電子計算センター)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 733
末尾ページ 736
年度 1984
要旨 1.序
 鉄筋コンクリート造の平板(RC平板)に、一様な面内応力を加え、RC建物の一要素としての基本的性状を捉えようとする実験及び解析が近年行われるようになってきた。この種の実験では、一様な応力度分布が想定されているので.RC平板を一様な部材として扱うマクロモデルで、挙動を解析的に予測する方法が考えられるがFEMなどのミクロモデルによって、マクロなモテル化について検証しておくことは有意義である。さらに、実験では、ひびわれが決して同時、かつ一様に発生するわけではなく、ひびわれの進展や鉄筋の局部的な降伏によって、時々刻々塑性化してゆくのが現実であり、ひびわれ幅、ひびわれ間隔に留意する場合や、スケール効果を検討する場合には、やはりミクロモデルによるアプローチが必要であると考えられる。
 本論文は、純せん断加力されたRC平板試験体をFEMモデルによって解析した結果を報告するものである。使用したFEMモデルは、従来より筆者らが開発してきた3次元FEMと同じく、塑性理論に基づいた2次元FEMであり(1)鉄筋を線材とする、(2)鉄筋とコンクリートの間には付着リンクを入れる、(3)ひびわれは、各要素内で一様に発生するものとする(いわゆる“Smeared Craek”)の3点を組み合せた点に特徴があるが、今回は、付着リンクの特性がひびわれの進展に及ぼす影響を調べることを主な目的とした。
3.まとめ
 純せん断力を受けるRC平板の解析を、FEMによって行った。ここでは、鉄筋の降伏によって耐力の決まった試験体を例とし、ひびわれと付着特性の関係に注目して解析を行い実験結果と比較した結果次のことが分った。(1)ひびわれの発生状況は、付着特性の違いによりり大きく変化する。実験結果を再現するには、ひびわれ近傍の付着強度を低下させる必要がある。(2)τ‐γ関係は、本試験体の場合には付着特性を変えても、ほとんど影響を受けない。
 本論文で使用したFEMモデルにより、RC平板の挙動をかなり詳細に解析できることが確認できた。今後は2軸引張やその他いろいろな応力状態に対して解析を行い、マクロなモデルにおける構成方程式の確立を図ってゆさたい。
PDFファイル名 006-01-0184.pdf


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