種別 | 論文 |
主題 | 増設鉄筋コンクリート耐震壁の非線形有限要素解析 |
副題 | |
筆頭著者 | 野口博(千葉大学工学部) |
連名者1 | 丸田誠(鹿島建設建築設計本部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 6 |
号 | 0 |
先頭ページ | 745 |
末尾ページ | 748 |
年度 | 1984 |
要旨 | 1.はじめに 近年、予想される大地震に備えて既存の鉄筋コンクリート(RC)構造物の耐震診断を行い、その結果、耐震補強が必要となり実施されるケースが多くなってきた。補強方法のなかで最も有効で使用頻度が多いのは、耐震壁を増設する方法である。この耐震壁の増設では既存フレームと増設壁の接合方法が重要なポイントとなり、現時点ではダボ接合方式が有効な手段と考えられる。一方、増設壁の研究は、最近組織的に行われろようになったばかりで、データの蓄積は十分とはいえない。しかもその大部分が実験的研究であり、増設壁の抵抗機構を解析的に検討した例には、黒正等の研究があるが、実験に比べるとまだ数少ないのが現状である。 そこで本研究では、ダボ接合都をモデル化した非線形有限要素法により増設耐震璧の解析を行い、設計上大切な要素となるダボ接合部が耐震壁の耐力及び変形性能に与える影響についての検討及びモデル化の検証を行うことにした。 8.結び 増設耐震壁の打ち継ぎ部分のモデル化を試みた解析例は今までに殆どなかったが、本研究では最近のダボ接合部実験データを基にして詳細なモデル化を試み、増設耐震壁の非線形解析の結果と実験結果の比較を行った結果、この打ち継ぎ面のモデル化の検証ができ、ダボ接合部が増設壁の耐力と変形性能に与える影響や破壊経過等についてのより細かな検討が可能となった。 その結果、打ち継ぎ面のダボ方向の破壊経過が全体の耐震壁の挙動に大きな影響を与えること、また耐震壁の破壊形式が決まってくるとダボ方向の部分的な破壊は全体の挙動にあまり影響を与えなくなること、ダボ筋は打ち継ぎ面の特に壁と柱の開きを抑え、増設壁が既存フレームと一体になるのに有効で、ダボ作用のみならず、引張にも有効となることがわかった。 しかし、第6章でも述べた様に壁筋の降伏が遅れること等、付着持性等の与え方なとにまだ問題が多く、また靭性面からの検討も必要となってくる。今後も研究を進め、これらの問題を照明したいと考えている。 なお、数値計算には東大大型計算機センターS810を用いた。 |
PDFファイル名 | 006-01-0187.pdf |