種別 論文
主題 温度応力に起因する鋼道路橋鉄筋コンクリート床版の初期ひびわ
副題
筆頭著者 豊福俊泰(日本道路公団人吉工事事務所)
連名者1 中村修吾(八洋コンクリートコンサルタント)
連名者2 神保和己(小野田セメント中央研究所)
連名者3 城国省二(小野田セメント中央研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 13
末尾ページ 16
年度 1985
要旨 1.まえがき
 鋼道路橋鉄筋コンクリート床版のひびわれ損傷は、橋梁設計・管理上の重要課題であり、それに対する種々の研究が続けられている。日本道路公団福岡建設局では、鋼桁上のRC床版のひびわれ損傷対策の一環として膨張コンクリート(膨張材を用いたコンクリート)の効果に着目し、昭和55年10月、長崎自動車道諌早IC内の浜橋(鋼単純合成げた)において我国最初の実橋施工を行い、膨張コンクリート床版の優位性を立証した。その後、昭和57年6月同自動車道の多良見橋(鋼4径間連続非合成げた)において再度膨張コンクリート床版を施工し本格的な調査を続けている。これらの調査結果から、温度変化に起困して日中あるいはアスファルト舗装施工時に床板の下段鉄筋に引張側の大きなひずみが発生する現象が認められた。
 本報告は、この現象を確認するため模型床版によって実施を行い、鋼橋RC床版の下側に発生するひびわれの原因として、日照により生じる床版内の鉛直方向温度不均一が影響していることを、明らかにしたものである。

5.結論
 実橋の調査結果より、床版内鉛直方向の不均一温度分布に起因する温度応力に着目し模型実験を行い、次の結論を得た。
(1)日内の日照による床版の変形が拘束されることにより床版内に温度応力が発生し、床版下面には引張応力が発生する。実橋の測定結果によると、この値は日内における床版内の温度上昇量と比例し、夏季において最大となる。特にアスファルト舗装時は、日照による応力に加えてアスファルトの温度による応力が加わるため、過大な温度応力があらわれる。
(2)日照による温度応力と床版下面のひびわれとは関係が認められ、配力鉄筋方向に比較して主鉄筋方向のひびわれの方が多い。配力鉄筋方向のひびわれは、下段鉄筋のひずみ変化量が大きい中央桁間で多く、ひずみ変化量が小さい耳桁間では少なくなっており、拘束度の違いによりひびわれ発生状況が異なる。
(3)日照による温度応力はコンクリートの材令を問わず、乾燥収縮が少ない極く初期であっても床版に繰り返し作用する。この値は材令初期においてコンクリートの引張強度が充分発現していないため、ひびわれを発生させるほどの大ききとなる場合があり、鋼橋RC床版の初期ひびわれ発生の原因となる。
(4)鋼橋床版のひびわれ防止対策としては、膨張コンクリートによるケミカルプレストレス(多良見橋の実測データでは配力鉄筋方向で12kg/cm2、主鉄筋方向10kg/cm2)の導入が有効に作用するものと考えられる。
PDFファイル名 007-01-0004.pdf


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