種別 | 論文 |
主題 | マスコンクリートのパイプクーリングによる熱除去効果の解析 |
副題 | |
筆頭著者 | 溝渕利明(鹿島建設技術研究所) |
連名者1 | 田辺忠顕(名古屋大学工学部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 37 |
末尾ページ | 40 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1.はじめに マスコンクリートの熱応力制御手法には、各種のものがあるが、コンクリート中に冷却水を流す管路を埋設し、コンクリートが硬化する際に発生する水和熱を除去するパイプクーリングは、その中でも重要な技術的手法といえる。パイプクーリングを効果的に実施するには、事前に最適なパイプ網のレイアウト、クーリングパイプの管径、冷却水の流速、初期水温等を定める必要がある。 近年、精度向上を目的としたクーリング効果の解析がなされつつある。その中には、定常熱伝導方程式のGreen関数を求め、パイプ内の熱収支とコンクリートの熱収支とから支配積分方程式を導き数値解析したものや3次元マスコンクリートブロックをいくつかの2次元断面で代表させ、クーリングパイプ位置を特殊な熱伝達境界として解析したもの等があるが、前者は複雑な構造物や複雑な施工工程を有するものには適用が困難であるといった問題点があり、後者は3次元解析に比べ簡便であるが厳密解とは言いがたい。 本研究では、より厳密なクーリング効果を把握するため、コンクリートについては、3次元非定常熱伝導方程式を適用し、パイプ内の水の熱収支および、水とコンクリートとの熱伝達を理想化した状態の境界条件を用い、Galerkin法によって有限要素法による定式化を行った。 本文では、非定常解析における解の収束性について述べるとともに、実際の構造物に則したモデルを仮定し、上記の解析理論による数値解析を行い、パイプクーリング効果について論じたものである。 6.結論 マスコンクリート構造物の熱応力制御は、重要な技術的要素であり、パイプクーリングはその制御方法として有効な方法であるといえる。 本研究は、パイプクーリングによる水とコンクリートの熱交換過程をあらゆる温度変動場、境界形状について理論的に解析できるように、有限要素法を用いる、3次元解析を行った。そして、本解析手法を用いて、実験の大型構造物を想定し、数値解析を行い、その解析結果から、パイプクーリング効果の検討を行った。 その結果、パイプクーリングを行わなかった場合に比べ、コンクリートの温度上昇を十分に制御できる範囲は主としてパイプを中心として半径20〜30cm程度であること、しかし、コンクリートブロック中心断面における温度応力はパイプクーリングを行わない場合に比べ、引張応力を約半分に低減できたこと(材令8日)、ただし、流速の増加に伴いパイプ周囲が冷却され、クラック発生の危険性があることが判明した。 今後、本研究を用いて、更に多くの実構物について数値解析を行い、最適のパイプレイアウト、流速、初期温度を求めていく予定である。 |
PDFファイル名 | 007-01-0010.pdf |