種別 | 論文 |
主題 | 塩分を含む温泉下水中に一年間浸漬された軽量コンクリートの物性 |
副題 | |
筆頭著者 | 桜井宏(大成建設技術研究所) |
連名者1 | 金子誠ニ(大成建設技術研究所) |
連名者2 | 松岡康訓(大成建設技術研究所) |
連名者3 | 内藤隆史(大成建設技術研究所) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 61 |
末尾ページ | 64 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1.はじめに 本研究は軽量コンクリートを下水処理場内の曝気槽や沈澱池の躯体に直接用いた場合の物理的・化学的耐久性について実験的に検討を行なったものである。実験は、軽量コンクリート及び普通コンクリート供試体を下水処理場内の高速曝気沈澱槽(エアロアクセレータ)中の下水に浸漬して、コンクリートの物理的・化学的性質の経時変化を調べ耐久性を評価しようとしたものである。なお本下水は一部海水の混入していることを特徴としているため化学的耐久性の評価はコンクリートの液接触面からの炭酸化、塩分の浸透能を中心に検討を行なった。浸漬期間は5年とし今回は1年までの浸漬実験結果について報告する。 4.結論 塩素イオン及び硫酸イオンを成分として含む温泉水を含む下水処理場内の高速曝気槽沈澱槽内と標準養生槽に、軽量コンクリート及び普通骨材のコンクリートを1年間浸漬した結果、以下のことが明らかになった。 1)曝気槽に浸漬した軽量コンクリート及び普通コンクリート供試体の圧縮強度、動弾性係数等の物理的性質は、標準養生したものと同等であり強度発現は正常であることがわかった。 2)曝気槽に浸漬した高炉セメントB種を用いたコンクリート供試体の表層部の遊離石灰は標準養生したものに比べやや減少する傾向を示している。 3)曝気槽に浸漬した高炉セメントB種を用いた水セメント比45%の軽量コンクリート供試体の中性化深さは1.5mmであり普通コンクリートに比べ約2倍であった。 4)塩素イオンや硫酸イオンによるエトリンガイト、フリーデル氏塩は軽量及び普通コンクリート中に発生していなかった。 5)軽量コンクリートは普通骨材を使用したコンクリートに比ベ0〜20mmの表層では2倍以上の遊離塩分が含まれており、遊離塩分の全塩分に対する比率も普通コンクリートの2倍以上の値を示した。しかし、軽量コンクリート中のモルタルと軽量骨材の全塩分量をX線マイクロアナライザーで分析した結果、両者の塩分量に差がないことから軽量コンクリートに塩分が多く含まれた原因の一つに軽量骨材中に塩分が蓄積されていることが考えられる。なお骨材中に塩分が含まれていることについては現在、化学分析により検討中である。 |
PDFファイル名 | 007-01-0016.pdf |