種別 論文
主題 乾燥が高強度軽量コンクリートの耐凍結融解性に与える影響
副題
筆頭著者 橘大介(清水建設技術研究所)
連名者1 今井実(清水建設技術研究所)
連名者2 岡田武二(清水建設技術研究所)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 73
末尾ページ 76
年度 1985
要旨 1.まえがき
 高強度軽量コンクリート耐凍結融解性に影響を与える支配的要因の1つは、著者らの実験で指摘されたように練り混ぜ前の軽量粗骨材の含水率である。含水率5%程度以下の軽量粗骨材を練り混ぜ時に使用すれば乾燥していない場合でも充分耐久性のあるコンクリートを製造することができるということが示唆されている。
 一方、洪らの研究報告によれば、含水率が比較的高い(9〜20%以上)軽量粗骨材を用いたコンクリートでも、気中乾燥させることによって充分な耐久性が確保されるという知見も得られている。
 充分プレウェッチングした軽量粗骨材を用いた高強度軽量コンクリートに関しては、気中乾燥によりコンクリートの含水率を数種類に変化させた場合のコンクリートの飽和度(2.2実験方法参照)と耐久性との関係は明らかにされていない。
 本研究は、プレウェッチング軽量粗骨材を使用した高強度軽量コンクリートの耐凍結融解性におよぼす気中乾燥の影響を実験的に検討し、コンクリートの飽和度に着目してその限界を求め、室外の壁体を対象にコンクリート乾燥表面からの深さと含水率・飽和度との関係をも明らかにし、この種コンクリートを使用した実際の構造部材の耐凍結融解性に関して若干の考察をしたものである。

4.まとめ
 本研究の範囲内で得られた結果をまとめると以下に示すとおりになる。
1)充分にプレウェッチングした軽量粗骨材を用いた高強度軽量コンクリートの耐凍結融解性は、コンクリートを気中乾燥させることで耐久性を向上させることができ、乾燥によりコンクリートの飽和度を55%程度以下に低減すれば、優れた耐久性(耐久性指数80%以上)を得ることができた。
2)コンクリートの乾燥は表層部では比較的顕著であるが内部では極めて緩慢であるという従来の普通コンクリートとほぼ同等な結果が得られた。
 以上の事から、プレウェッチング軽量粗骨材を使用した高強度軽量コンクリートを凍結融解作用を受ける地域で構造部材として用いる場合、部材厚が薄い場合には乾燥を促進することにより耐凍結融解性の向上ができる。しかし部材厚が大きく、屋外の壁体の場合には低含水率(5%程度以下)の軽量粗骨材を使用するのが肝要かと思われる。
PDFファイル名 007-01-0019.pdf


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