種別 | 論文 |
主題 | コンクリート構造物の塩害の実態調査 |
副題 | |
筆頭著者 | 和美幸喜(鹿島建設技術研究所) |
連名者1 | 木村敬三(鹿島建設技術研究所) |
連名者2 | 吉信正弘(鹿島建設建築工務部) |
連名者3 | 小泉博義(鹿島建設建築工務部) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 77 |
末尾ページ | 80 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1.まえがき 最近、海岸地域などのコンクリート構造物において、コンクリート中の塩分により鉄筋が腐食し、かぶりコンクリートにひび割れが生じたり、はく離するなどの損傷が報道され社会問題となっている。 これは、海砂などの使用材料の塩分によるものと、海岸地域における海塩粒子により外部から浸入する塩分の影響によるといわれている。前者の場合は、昭和52年10月に建設省住宅局より「0.04%を超える塩分を含んだ粗骨材を原則として使用しない」という通達が出されて以来、各方面で海砂の除塩対策が検討され効果を上げている。後者については、許容塩分をはるかに超える塩分がコンクリート中に浸入するもので、しかも環境条件、設計条件、経過年数及びコンクリートの品質等が鉄筋の腐食に対して複雑に影響するため未解決な点が多いといわれている。 このようなことから、実際の構造物について実態調査を行うことが短期間に劣化要因を把握できる一つの方法と考え、鹿児島県.愛知県の構造物で海砂を用いたと思われるもの及び海岸地域に建つものを対象に調査を行った。 本報告は、調査結果に基づき塩害環境条件下に建つ建物の維持管理に必要な資料を得ることを目的として、主に鉄筋の腐食に対するコンクリート中の塩分量、かぶり厚さ及び中性化等の影響について検討したものである。 4.まとめ 今回調査した建物は、塩害による劣化が顕在化していなかったが、コンクリートの使用材料から混入される塩分や海塩粒子の影響で内部の鉄筋がある程度腐食していることがわかった。海塩粒子の影響を受けない構造物では、細骨材換算の塩分量を0.04%以下とすべきであり、海岸地域の建物では、鉄筋腐食の許容限度をはるかに超える塩分が外部より浸入するので、塩分の浸入防止対策や耐塩性鉄筋の使用などを検討する必要がある。なお本調査研究は、鹿島建設における塩害対策研究会の一環として実施したものである。 |
PDFファイル名 | 007-01-0020.pdf |