種別 | 論文 |
主題 | コンクリート部材の劣化と破壊確率について |
副題 | |
筆頭著者 | 関博(早稲田大学理工学部) |
連名者1 | 松井邦人(東京電機大学理工学部) |
連名者2 | 松島学(東電設計土木本部) |
連名者3 | 金子雄一(早稲田大学大学院) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 121 |
末尾ページ | 124 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1.まえがき 最近、コンクリート構造物の劣化および耐久性が大きな問題として取り上げられるようになっており、塩害による鉄筋やPC鋼材の腐食、アルカリ骨材反応によるコンクリート体の劣化、などがあげられている。これらの問題に対しては、劣化の機構、劣化の判定方法、補修方法などが主要な検討項目となっていると思われる。しかし現行の設計法および限界状態設計法では、耐久性に関連する内容は十分とは言い難いのが現状のようである。すなわち、その構造物の置かれている環境における構造物の経年劣化の度合いを定量的に予測するような手法が確立されていないということである。このような手法については不確定な要因が多数含まれるため、それらすべてを含めた正確な予測を行なうということは、容易なことではないと思われる。また、構造物の供用年数とその供用期間中の破壊確率の適切な値を定めることも容易ではない。供用年数は、1)機能的要因、2)物理的要因-安全性および使用性より定まる、3)経済的要因、などにより定まると考えられるが、種々の要因を定量的に処理することは困難を伴い、この問題の取扱いを複雑にしていると考えられる。表-1はRC構造物の設計上の供用年数をまとめたものであるが、本表によっても種々の値が用いられている現状がうかがわれると思われる。 本文では、これらの要因のうち2)物理的要因に関連するものを考え、ひびわれによる鉄筋の腐食とコンクリート体の劣化が構造部材の曲げ破壊に及ぼす影響を考慮したときの部材の安全性の低下に焦点を絞り、既往の資料などをもとに構造物の寿命を推定する方法を検討した。 4.まとめ 構造物の構成材料の劣化による安全性の低下についての定量的な予測についての検討を行ない、経年により破壊確率が増大するなど概略の傾向を把握することができた。しかし、本文では荷重作用のばらつきなどを考慮しておらず、また、データの不足などにより多くの仮定を設けている。特にλ*sの分布形状とmの値についてはさらに検討が必要であると思われる。 今後、上記の問題点を考慮するとともに、多くの測定値を背景として、破壊確率をより信頼性の高い精度で推定する必要があると考えられる。 |
PDFファイル名 | 007-01-0031.pdf |