種別 | 論文 |
主題 | 各種骨材のアルカリ反応性(化学法)に関する実験的検討 |
副題 | |
筆頭著者 | 蒔田実(建設省土木研究所) |
連名者1 | 片脇清士(建設省土木研究所) |
連名者2 | 守屋進(建設省土木研究所) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 137 |
末尾ページ | 140 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1.まえがき ここ数年来、アルカリ骨材反応によると思われるコンクリート構造物の異常な劣化が西日本を中心として各地で散見されている。この原因はある種の骨材がセメント中のアルカリと反応するためであるといわれている。このため、コンクリート構造物の新設に際しては使用する骨材のアルカリに対する反応牲の有無を調べる必要が生じてきた。 骨材のアルカリに対する反応性を判断する試験法としてASTM C227(モルタルバー法)と同じくC289(化学法)が広く行われている。しかしながら、これらASTMの試験法が我が国の骨材のアルカリに対する反応性を判断する方法として必ずしも最適な方法であるとは限らない。すなわち、ASTM化学法においては骨材の粒度調整、反応時間、反応温度などの反応条件が骨材のアルカリ反応性とどのような関係にあるのか必ずしも明確になっていないのが現状である。 このような観点から、本報告はASTM化学法における各反応条件と骨材のアルカリ反応性の関係を調べるための実験的な検討を加えたものの中間報告である。 4.まとめ 骨材とアルカリとの反応条件に関する一連の実験より以下のことが明らかとなった。 (1)骨材Aは粉砕の過程で骨材中にある反応性物質が特定の粒度に分配されることはなく粒度によるアルカリ反応性に質的な差はない。 (2)骨材のアルカリ反応性は骨材ごとに反応時間による違いが著しいので24時間という反応時間は必ずしも適当ではない。 (3)骨材のアルカリ反応性は温度による影響を大きく受け、温度が高いほど反応はより一層促進されるが、実験操作上は80℃が実用的である。 (4)反応容器を振とうすることは骨材とアルカリとの反応を非常に促進させる。 (5)骨材ごとに水酸化ナトリウムと水酸化カリウムに対する反応性はまったく異なっているので、セメント中のアルカリ量を評価する際にはナトリウム等価量に換算する次式は再検討を要すると思われる。 Na2O(eq)=Na2O+0.658K2O 以上のことから、ASTM化学法はモルタルバー法に比べて短かい時間で骨材のアルカリ反応性を知ることができるという点ですぐれた試験法ではあるが、今回の一連の反応条件に関する実験結果より、化学法にはいくつかの問題点のあることか明らかとなった。 |
PDFファイル名 | 007-01-0035.pdf |