種別 論文
主題 ガラス繊維補強コンクリートに対する産業副産物の利用
副題
筆頭著者 河野清(徳島大学工学部)
連名者1 堀井克章(阿南工業高等専門学校)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 233
末尾ページ 236
年度 1985
要旨 1.まえがき
 ガラス繊維補強コンクリート(以下GFRCと略記)は、ぜい性材料であるコンクリートの引張強度、せん断強度、ひびわれ抵抗性、靭性などの改善に有効な複合材料として注目されていろ。しかし繊維の価格が高いこと、施工時に繊維の吸水やほぐれが生じ、コンクリートのリーカビリチーが著しく悪化すること、通常用いられる耐アルカリ性ガラス繊維の耐アルカリ性が完全でなく、コンクリート中の強アルカリ成分に侵食され、その補強効果が材令とともに低下することなど、同種の複合材料である鋼繊維補強コンクリートに比較して、経済性、施工性及び耐久性の点に問題があり、GFRCに関する調査報告は非常に少ない。
 そこで本研究では、ガラス繊維のアルカリ劣化の抑制対策として、産業副産物の有効利用によりコンクリートのアルカリ度を低下させることに着目し、耐久性に重点をおいたGFRCの品質改善のために、副産物であるフライアッシュ及び高炉スラグ微粉末(以下スラグと略記)を混和材としてセメントの一部に代替して用いた場合の、GFRCの諸性状に及ばす副産物代替率及び養生条件の影響について、実験を行い検討をくわえた。

4.むすび
GFRCに産業副産物であるフライアッシュ及びスラグを混和材としてセメントの一部に代替して利用した本研究の結果を要約すると、本実験の範囲内で、以下のようになる。
(1)フライアッシュ及びスラグの代替率の増加に伴い、GFRCの連行空気量は減少する。
(2)フライアッシュのセメントに対する代替使用は、GFRCのワーカビリチー改善に有効である。
(3)フライアッシュ及びスラグの代替率の増加に伴い、GFRCの初期強度は低下する。
(4)ガラス繊維のアルカリ劣化により、GFRCの長期材令での曲げ強度は低下する。
(5)GFRCの曲げ強度低下の抑制には、フライアッシュ及びスラグの使用あるいは比較的早期材令での乾燥状態への移行が効果的である。
(6)フライアッシュ及びスラグの使用は、GFRCの長期材令での強度、靭性及び吸水性の改善に有効である。
(7)高温養生は、GFRCの強度発現をそこなうので、蒸気養生を行う場合には、最高温度をできるだけ低く抑えるかあるいはフライアッシュ及びスラグをセメントの一部に代替して使用するのが良い。
PDFファイル名 007-01-0059.pdf


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