種別 論文
主題 コンクリート部材のひびわれ伝播とKI
副題
筆頭著者 大津政康(熊本大学工学部)
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キーワード
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先頭ページ 257
末尾ページ 260
年度 1985
要旨 1.はじめに
 コンクリート部材のひびわれは、構造上の重大な問題であり、耐久性、使用性に大きな影響を与える。これについては、色々な方面から検討されているが、構造用材料におけるひびわれの発生、伝播の機構は、材料の破壊靭性(Fracture Toughness)と大きく関連していると考えられる。ひびわれ先端の応力場の特異性に基ずいた線形破壊力学(LEFM)から破壊靭性パラメータとして導入された開口モードに対する応力拡大係数KIは、材料の異方性、非線形性、寸法効果などの影響について多くの研究者により検討がなされ、LEFMのコンクリート材料への適用に関する幾つかの問題点が指摘されている。
 本報告では、この応力拡大係数KIをコンクリート部材におけるマクロな不安定ひびわれ伝播を支配するパラメータとして位置づけ、ノッチ付きはりの破壊試験とAE計測、および境界要素法による解析を行って、ひびわれ伝播機構の解明に適用することを試みたものである。

4.結論
1)BEMによる応力拡大係数KIの決定法として、内部応力から外挿法によって求める手法を考案した。そして、外挿で無理級数展開の3項までとれば、KIを精度良く決定できることが認められた。
2)ノッチ形状と供試体寸法のKIへの影響を検討するために、実験供試体にたいするKIを求めた。その結果、き裂形状によってKIが異なる値をとることが示され、さらに、a/Wの増加によるKIの増加は解析解のスリットの場合ほどは大きくないことが認められた。
3)従来の方法で実験により決定された各供試体の限界応力拡大係数KICの値は、かなり変動した。ただし、AEの頻発荷重より求めたKICの値は変動が少なかった。解析結果よりこの変動の理由として、ノッチ形状の影響も含まれていると考えられた。また、AEの頻発点からKICを決定し、それをひびわれの発生基準とする可能性が示された。
4)ひびわれ伝播のシミュレーション解析として、KICをひびわれ進展の基準に用いたBEMによる弾性解析を行い、実験の剛性試験で得られた荷重-開口変位曲線をほぼシミュレートしうることができた。これからも、KICをひびわれ伝播の基準として用いる妥当性が示されたと考えられる。
PDFファイル名 007-01-0065.pdf


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