種別 | 論文 |
主題 | 極低温下で使用される鉄筋に要求される耐衝撃性に関する研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 三浦尚(東北大学工学部) |
連名者1 | 村野清一郎(東北電力) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 285 |
末尾ページ | 288 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1.まえがき 極低温下において、コンクリートは、一般に強度は大幅に増加するものの、それに対し、塑性変形量は相対的に小さくなり、破壊は非常に衝撃的なものとなる。また、鉄筋も極低温下において、延性が失われ脆性的なものとなる。そのため、コンクリ−トが引張りを受け、ひびわれが発生する際の衝撃によってもコンクリート中に埋め込まれた鉄筋が破断することが考えられる。また、鉄筋の重ね継手部においても、重ね合わせたコンクリートが鉄筋に沿って割裂した時、その際の衝撃で横方向鉄筋が破断する場合があると言われている。本研究は、このような環境下で使用される鉄筋に要求される耐衝撃性を把握するためにコンクリート破壊時に発生する衝撃の大きさや、破壊時に鉄筋に生じる歪(歪の大きさや歪速度)を定量的に求めることを目的とする。 4.結論 本研究より、次の様な結論を得た。 1)極低温下で使用される鉄筋コンクリート部材においては、場合によっては、コンクリ−トの引張破断の衝撃によって、中の鉄筋が脆性破断することがあり、この点を十分考慮した材料の選択が必要である。 2)極低温下において、コンクリート破壊時に、鉄筋に作用する歪および歪速度は、含水量の増加に従い指数関数的に増加する。 3)常温下と比較して、-100℃における鉄筋の歪および歪速度は、約4倍および1万倍となった。 4)残留歪20%に曲げ加工(曲げ内半径が鉄筋直径の2倍)した鉄筋の折曲げ内側部に発生する歪は、直な鉄筋に発生する歪と比較して10〜20倍程度大きくなる。 5)コンクリートが引張破断する時に鉄筋に発生する歪速度は、その鉄筋コンクリート部材の引張部の鉄筋比にほぼ反比例する。 6)今回の実験に用いた鉄筋では、鉄筋に15〜20%程度の残留歪を与えた場合、-100℃で平均的な歪速度が10Sec-1程度以上になると鉄筋は破断する可能性がある。 7)以上のことから、極低温下で使用される鉄筋に要求される耐衝撃性の値は、使用する構造物の状態や鉄筋の曲げ加工の状態、使用温度等によって定まってくることがわかる。 |
PDFファイル名 | 007-01-0072.pdf |