種別 論文
主題 プレーンフレッシュコンクリートのレオロジー定数、コンシステンシー試験値間の関係
副題
筆頭著者 水口裕之(徳島大学工学部)
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連名者5  
キーワード
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先頭ページ 297
末尾ページ 300
年度 1985
要旨 1.序言
 フレッシュコンクリートの流動特性を的確に把握し、それを利用して合理的なコンクリート施工をするためには、その流動特性をコンクリート工事の現場で測定することが必要である。このため、フレッシュモルタルやコンクリートの流動特性を測定する方法が数多く提案されてきた。しかし、これらの測定法は、その測定値の意味が不明確であったり、測定方法が複雑であったりして決定的な方法は、まだ開発されていない。
 現在、流動特性の測定方法としてよく使用されているものとしては、スランプ試験、VB試験、CF試験、フロー試験などがある。これらの方法は、測定装置や方法が比較的簡単な半面その測定値の意味が不明確であるといわれている。一方、近年、フレッシュモルタルやコンクリートをビンガム物体と仮定し、そのレオロジー定数を求め、物理的な意味を持った数値でコンクリートの流動特性を表そうと試みられている。しかし、現在のレオロジー定数の測定方法は、装置も大型でその測定法も複雑であって、現場での測定には向いていない。
 これらを解決するためには(1)現場で使用できるレオロジー定数の測定装置を開発する(2)レオジー定数に関連する数値を測定できる簡便な装置を開発する(3)現在用いられているコンシステンシー試験のレオロジー的意義を検討するという方法が考えられる。(1)の解決方法は、コンクリートを均一材料と見なし得るだけの試料寸法が必要なことから装置の大型化が避けがたい。(2)の方法は、TattelsallがTwo-point methodとして提案し、かなりの成果を得ている。(3)の方法としては、コンクリートのコンシステンシー試験中の流動の解析や実験によってコンシステンシー試験値とレオロジー定数との関係を検討することが考えられる。
 本研究では、現在よく用いられているスランプ値、フロー値およびVB値のレオロジー的意義を検討するため、これらのコンシステンシー試験値とビンガム物体と仮定したフレッシュモルタルおよびコンクリートのレオロジー定数すなわち、降伏値および塑性粘度との関係ならびにレオロジー定数間の関係を実験的に求め、考察した。

4.結語
 以上述べてきたように、フレッシュモルタルおよびコンクリートにおいては、降伏値と塑性粘度との間には高い相関があり、一方の値からもう一方の値をある程度推定できる。モルタルではフロー値とスランプ値、コンクリートではスランプ値から、それらのレオロジー定数をある程度推定できる。しかし、これらの推定には誤差がかなりあるので、この誤差が施工上必要な情報として、どのような意味を持つかは今後の検討課題である。
 また、以上の結果はプレーンの配合の場合であり、混和材料を用いた配合では異なる結果も考えられる。
PDFファイル名 007-01-0075.pdf


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