種別 論文
主題 棒貫入法によるコンクリートの流動性の測定
副題
筆頭著者 大岸佐吉(名古屋工業大学工学部)
連名者1 棚橋勇(名古屋工業大学工学部)
連名者2 小野博宣(中部大学工学部)
連名者3 水谷且哉(小原建設建築部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 301
末尾ページ 304
年度 1985
要旨 1.まえがき
 まだ固まらないコンクリートの諸性質のうち特に流動性の判定方法の確立は、品質に対する多様な要求や次々に登場する工法への対応を決定する上で非常に重要である。
 近年、この問題を究明するためにレオロジー理論に基いた数多くの研究がなされている。その結果、セメント分散体の流動性は骨材等の固体粒子の体積濃度などによって支配される事が明らかとなり、これを解明するいろいろな測定方法が提案されている。しかし、これらは測定法として未解決な点が多く、又測定装置の規模などの点から流動性の判断に広く用いるには問題が残されている。
 品質管理上、流動性を実務的に判定する方法としては測定が簡易、迅速かつ高精度で行えることが望ましい。
 本研究は、既に開発した「棒貫入型流動性測定装置」の特性実験を行った。次に、この装置を用いて水セメント比50、60及び70%のセメンペーストに細、粗骨材の体積濃度を組み合わせたモルタル及びコンクリートについて貫入速度と剪断応力を測定し、その結果から、貫入係数及び流動開始応力を求めた。特に骨材粒子の体積濃度、粒度分布、細骨材率などの影響を実験的に究明すると共に、コンクリートの塑性粘度及び降伏値との関連性について考察を加え、軟かさと分離抵抗性を分析すると同時にこの方法の実用性について検討した。

4.結論
1)コンクリートの貫入係数は、セメントペーストの貫入係数と骨材の体積濃度及び細骨材率の三つをパラメーターとして表しうることを示した。(7)式
2)骨材の体積濃度が一定で、かつ一定の水セメント比のコンクリ−トでは、流動開始応力を最小とする細骨材率が存在することを棒貫入法により明らかにした。この方法によれば、良好な流動性を得るための最適細骨材率を決定することができる。
3)モルタル・コンクリートの塑性粘度(固体粒子の表面積係数を考慮した計算値)と貫入係数は直線関係にあり、この結果から、棒貫入法を用いて塑性粘度を求める実験式を示した。(9)式
4)棒貫入型流動性測定方法は、貫入係数Gと流動開始応力τsからコンクリートの塑性粘度と降伏値を知るものであり「分離性」と「軟かさ」の両性質を定量的に表わしうることを明らかにした。
5)棒貫入法は、簡単な機構のもとにモルタルやコンクリートの流動性を、簡便にしかも精度よく測定し、工事への適否を評価できるものである。
PDFファイル名 007-01-0076.pdf


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