種別 | 論文 |
主題 | 厚壁型鉄筋コンクリート耐震壁の変動シアスパン加力実験 |
副題 | |
筆頭著者 | 杣木孝裕(横浜国立大学大学院) |
連名者1 | 壁谷沢寿海(横浜国立大学工学部) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 369 |
末尾ページ | 372 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1序 変形能力に依存する終局型の設計法を中高層の壁フレーム構造に適用する場合、骨組終局時に予想される耐震壁のせん断カに対して十分な安全率をもってせん断破壊しないように設計することが重要になる。この入力せん断カには壁の曲げ耐力だけでなく、壁率、フレーム部分の設計、動的な増幅率などが関係し、耐震壁の設計用せん断カがかなり高くなる場合もある。 耐震壁のせん断破壊は、(1)側柱を含む斜め引張破壊、(2)壁板のスリップ破壊、(3)壁板の斜め圧縮等があり、(1)は柱を含め通常の補強により、(2)は斜め筋と特別な補強により、それぞれの耐力の上昇あるいは破壊モードの防止が可能である。一方、(2)、(3)の耐カを上昇させる設計で比較的容易に採りうる手段としては、壁厚の変更が考えられる。 本研究は、耐震壁の破壊モードとして曲げ降伏型を設定する壁フレーム構造の終局型設計を念頭において、比較的壁厚の厚い耐震壁の変動シアスパン型加力実験を行なったものである。壁板の配筋詳細のみをパラメータとして、その影響を検討するとともに壁厚の厚い場合のみ可能な斜め圧縮に対してじん性を確保する詳細の可能性(壁板コンクリートの拘束)を追求した。 4まとめ 1)試験体は、変形角R=l/100の繰返し加力(M/QD=2.0〜0.5)では、明らかな破壊の様子はみられず、曲げ降伏型の安定した挙動を示した。その後の変形角R=1/50の繰返しでは、M/QD=1.0〜0.5で、K10を除き、斜め引張破壊、スリップ破壊あるいは斜め圧壊したものの、破壊後の急激な耐カ低下もみられず、軸力も十分に保持していた。 2)厚壁の試験体は、壁板より先に側柱を破壊させないよう側柱を十分にせん断補強を行なえば、最大耐力時の平均せん断応力度は上昇し、R=1/50でも、R=l/100時の最大耐力の70%前後という耐力を保有しているなど、耐力及び変形能力のおいて良好な挙動を示している。 3)厚壁や配筋詳細をかえることによって、スリップ時の耐力は上昇し、破壊モードは斜め圧壊へと移行する。さらに、斜め筋を拘束(壁板コンクリートの拘束)する詳細ことによって、斜め圧縮に対して、じん性を確保しうることを明らかにした。 |
PDFファイル名 | 007-01-0093.pdf |