種別 | 論文 |
主題 | 鉄筋コンクリート連層耐震壁の靭性の向上に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 高木仁之(明治大学工学部) |
連名者1 | 牧幹夫(明治大学工学部) |
連名者2 | 狩野芳一(明治大学工学部) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 377 |
末尾ページ | 380 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1.はじめに 曲げ降伏後の耐震壁の靭性については既往の研究で述べられているように、「平均最大せん断応力(τmax)」、「平均最大せん断応力度/コンクリート強度比(τmax/FC))」, 「曲げ降伏強度/せん断終局強度(修正荒川式)比(QCM/QS)」等の影響が顕著であるとされ、これらの影響因子を制御することが靭性向上の有効な手段となっている。しかし、これらの影響因子がどのような条件下で支配的になるかについては十分解明されていない。 図1は筆者らが今まで行った曲げ降伏した試験体の靭性率を見たもので、縦軸は試験体を片持ばりとしてe関数により算出した脚部曲率による靭性率(μe=終局耐カ時曲率/曲げ降伏時曲率)で、横軸は実験による靭性率(μT=終局時1層水平変位/曲げ降伏時1層水平変位)でその関係を示した。このように曲げ降伏した試験体であっても曲げ理論による靭性率の向上とは対応していないことが解かる。すなわち曲げ降伏から曲げ終局に至るまでにせん断破壊が生じ靭性率が著しく低下している。そこで前述の各因子と実験の靭性率についての関係を図2〜図4に示した。 これらの図よりτmax/FCとQCM/QSとが靭性率に対し相関性が高いと見られたため、この2因子についての関係を図5に示した。試験体はほぼ1つのライン上に分布し、両者のいずれが靭性率に支配的であるかを判明しにくい状態にしていると思われる。 そこで今回の研究は、i)QCM/QSとτmax/FCのどちらが支配的に靭性率に影響しているか、ii)τmaxは靭性率にどの程度の影響を持っているかを実験で明らかにし、次にiii)靭性率を決定する他の要因はあるか、について検討を行ったものである。 5.結論 スケール効果の影響があり実際の靭性率を定量的にとらえることは出来ないが、定性的に曲げ降伏後の靭性率を支配する要因を示した。すなわちτmax/FC≧0.2ではQCM/QSが、τmax/FC∠0.2ではτmaxが有効な因子であり、また前者に対しては破壊機構モデルより壁板部の圧力場の幅が靭性率に大きく影響していることを示した。 |
PDFファイル名 | 007-01-0095.pdf |