種別 | 論文 |
主題 | コリンズ理論に基づくRC弾塑性解析法 |
副題 | |
筆頭著者 | 井上範夫(鹿島建設武藤記念研究室) |
連名者1 | 小鹿紀英(鹿島建設武藤記念研究室) |
連名者2 | 鈴木紀雄(鹿島建設武藤記念研究室) |
連名者3 | 速水由紀夫(鹿島建設情報システム部) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 405 |
末尾ページ | 408 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1.はじめに 一般に鉄筋コンクリート構造物を解析する場合に用いるモデルとしては、トラス機構等で代表されるマクロモデルと、有限要素法等のミクロモデルに大きく分けられ、ミクロモデルはさらにRC構造の各構成要素までモデル化して部材レベルを解析対象とする場合と、RCの要素としての構成則を設定して構造物全体を解析する場合(準マクロモデル)に分類される。 また、2軸応力下のコンクリートの構成則については、従来圧縮-圧縮領域が主に議論の対象となってきたが、せん断力を受ける耐震壁の弾塑性挙動を追跡する上で重要なのは、むしろ引張-圧縮領域の構成則であり、近年これを対象とする研究も精力的に行われるようになった。特にコリンズらは、純せん断あるいは複合応力下におけるRC平板の実験を行ってRC板としての引張-圧縮領域の構成則を導いた。そこでは、ひびわれが生じた後のコンクリートは圧縮側において、耐力、剛性ともひずみに応じて低下することが示されており、これらの影響を等価的に取り入れた解析も最近行われるようになってきた。 これらの状況を踏まえて、筆者らは構造物の弾塑性挙動の把握を窮極の目的として、引張-圧縮領域にコリンズ理論を導入した準マクロモデルの解析プログラムを開発し、耐震壁の解析によりその適用性を検討した。 4.考察 コリンズ理論を引張-圧縮領域に導入したプログラムによって、JCI選定試験体を解析した結果、破壊の進行状況、破壊の形式ならびに最大荷重は比較的良く表現することができることが分った。 しかし、変形が実験を大きく下回る結果となっており、その原因としては次のようなことが考えられる。 l)引張側鉄筋のスタブよりの抜出しを評価していない。 2)コリンズの提案しているテンションスティフニングの式(5)が溶接金網を用いた平板の実験結果より求められたものであり、その適用範囲が不明なこと。ちなみに、他の研究者との比較を図-10に示すが、その間に大きな相違がある。 この中で特に(2)は、全体の弾塑性特性にかなり影響を及ばす要因であると考えられ、コリンズ式の適用範囲の把握が必要であると同時にテンションスティフニング効果の鉄筋比による変化や異形鉄筋と溶接金網による相違等の究明が望まれる。 |
PDFファイル名 | 007-01-0102.pdf |