種別 | 論文 |
主題 | 気象変化によるコンクリート橋温度差の簡易推定法 |
副題 | |
筆頭著者 | 猪又稔(北海道工業大学工学部) |
連名者1 | |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 429 |
末尾ページ | 432 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1.まえがき コンクリート橋の温度分布は気象環境によって複雑に変化する。部材に温度差が生じると温度応力が発生することになるが不静定構造にあっては、温度差による固有応力のほかに部材の変形拘束によって二次応力が生ずることになる。温度応力の大きさは、湿度勾配によってきまるものであり、したがってコンクリート橋の二次応力を含めた温度応力を解析する上で温度差ならびに温度分布形状は非常に重要な問題となる。コンクリート部材の上下方向温度分布については既往の研究によってかなり精度良く解析することが可能となったが、一方実験式により簡便に温度差を推測できるならば温度応力の設計に際して大いに有用なものと考えられる。 本研究は、このような観点から温度差を実験的に求め、日射量および舗装厚の影響を考慮したコンクリート橋温度差の簡易推定式を提案し、更に設計用の温度分布形状についても検討するものである。 5.結論 結論を要約すると以下のようである。 (1)温度分布形状については、Churchwardによる分布あるいは床版において逆三角形の分布が実験・実測による分布と近似することが認められた。 (2)実験によれば部材上下方向温度差と日射量とはよい相関を示した。また温度差△Tは舗装厚dの増加とともに減少するが、この場合△Tとlogdの閑係はほぼ直線的な傾向を示す。したがってコンクリート橋の温度差は日射量と舗装厚をパラメーターとした実験式で表わすことができる。 (3)実橋による温度測定の結果は、実験の場合とほぼ同様な傾向を示し、また温度差についても推定式より求めた値と近似することが確かめられた。 (4)不静定コンクリート構造に関する二次応力は温度差による部材の曲率の大きさによってきまるが、道路橋示方書(3)による温度差分布から求めた曲率は、標準的な舗装厚に対するBS5400(Part2)による温度差あるいは推定式による温度差から求めた曲率に比して小さな値を与える。 (5)道路橋示方書(3)による温度分布形状と温度差は、舗装厚の影響が考慮されておらず、またフランジ部の温度差形状ならびにそれによる固有応力度の形状と大きさが実情に合わない等の問題点がある。これに対しフランジ部において逆三角形分布は実際の温度分布とも近似しており、かつ形状も単純で計算にも便利であることから設計用の温度分布として適している。この場合の温度差は式(3)の推定式から求めることができる。また負の温度差についても設計の際に考慮する必要がある。このときの温度分布形状もフランジ部において逆三角形とし、その大きさは正の温度差の50%とするのが適当と思われる。 |
PDFファイル名 | 007-01-0108.pdf |