種別 | 論文 |
主題 | 横ふし1個のみを持つ異形鉄筋の付着特性に関する実験的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 長友克寛(高松工業高等専門学校) |
連名者1 | 角徹三(豊橋技術科学大学建設工学系) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 7 |
号 | 1 |
先頭ページ | 497 |
末尾ページ | 500 |
年度 | 1985 |
要旨 | 1.研究目的 鉄筋コンクリート構造のひび割れ変形性状、耐力等を解析的に評価する場合、各種の材料特性を如何にモデル化するかが重要となるが、その中で鉄筋とコンクリート間の付着-滑り作用の果たす役割の大きいことが多くの研究者によって指摘されており、具体的にはボンドリンク要素等の形でモデル化されている。このような付着解析モデルに与えるべき材料特性値は引き抜き試験等の付着試験より定めるのが通例であるが、これには種々の影響因子が複雑に係り合ってくるため、多くの場合経験的に決定されているのが実状である。しかも、通常の付着試験においては載荷端からある距離までの付着を断ち、あるいは無視し、付着の安定した領域での挙動を対象とすることが多いが、例えば鉄筋コンクリー卜部材のひび割れ面近傍に比較的集中し、特に荷重増加に伴うろうと状剥離の発生以降においては大半を占めることを考えるとき、載荷面をひび割れ面に想定し、この近傍域での付着性状を検証する必要性がクローズアップされてくる。 著者等はこのような問題解明のため、まず横ふし1個のみを持つ異形鉄筋という単一エレメントを対象とし、その基本的な付着機構の実験的な再把握および解析的表現の可能性を見た上で通常の鉄筋の考察へと展開していく、という認識のもとに研究を行ってきた。本論文はその一環としてふし前面でのかみ合いに特に注目し、それに大きく寄与すると考えられるふし形状・寸法の影響を再検討すると共に、合せてふしの載荷端からの位置の相異によるこの領域での付着耐力等の変化を観察することを目的としている。 5.結論 本研究で得られた知見を要約すると以下の通りである。 (1)載荷端からのふし位置の変化に伴い付着挙動は大きく変化し、材端近傍域での付着耐力劣化考慮の必要性を示している。 (2)ふし埋め込み長Lの増加に伴い耐力は増加するが、L=45mmを超えるとその傾向は鈍る。初期滑り剛性への影響は明確ではない。 (3)ふし角度θの増加に伴い耐力は減少するが、初期滑り剛性については増大する。ただし、θ=90゜の場合の耐力は中間的値を示す。 (4)ふし高さhの増加に伴い耐力は増大し、その傾向は埋め込み長の大きな位置ほど著しい。初期滑り剛性についても増大するが、h=2.5mmを超えるとその傾向は純る。 (5)耐力はコンクリート圧縮強度fc’の2/3乗により正規化可能である。 (6)付着耐力劣化域は載荷端から鉄筋径の約2倍程度の範囲と考えられる。 (7)線形要素を用い、ひび割れを領域的に取り扱った有限要素解析では耐力、滑り剛性等の定量的な評価は困難である。 (8)ふし前面での滑りを考慮することは付着挙動についての有限要素解析結果にかなりの影響を与える。 |
PDFファイル名 | 007-01-0125.pdf |