種別 論文
主題 梁主筋の付着をよくした柱梁接合部の耐震性能
副題
筆頭著者 北山和宏(東京大学大学院)
連名者1 栗栖浩一郎(千葉大学大学院)
連名者2 小谷俊介(東京大学工学部)
連名者3 青山博之(東京大学工学部)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 605
末尾ページ 608
年度 1985
要旨 1.はじめに
 靭性に依存する耐震構造として梁崩壊型の骨組が望ましい。そのためには梁端部の塑性ヒンジによるエネルギー吸収を良くすると共に、柱・梁部材及びその接合部の脆性的なせん断破壊や主筋の付着破壊を防止することが必要である。文献[1]の十字型平面柱梁接合部の実験(Jシリーズ)では、大変位時でも耐力を維持するが、梁降伏後に梁主筋の接合部内の付着が劣化して、逆S字状の履歴性状を示し、最終的には接合部がせん断破壊した。本研究は、梁主筋の接合部内での付着を良くした梁降伏型十字形平面柱梁接合部の試験体について、破壊形式、復元力特性等を実験によって調べることを目的とする。

7.結論
(1)柱梁接合部おける梁主筋の付着応力度を低減するように、(柱幅/梁主筋径)=31.5の細径で、かつ降伏強度の低い梁主筋を用いた柱梁接合部実験では、履歴面積の大きい紡錘形の履歴特性が得られた。このような良好な履歴性状を得るためには、梁主筋の強度を制限する必要がある。
(2)梁主筋の接合部内での付着劣化が生じると、梁主筋の抜け出しによる変形が増加する。これに対し、梁主筋の付着が良好な場合には、大変形に至るまで梁に形成された曲げヒンジか維持される。
(3)接合部せん断補強筋量の多少によらず、接合部せん断変形は地震時に予想される層間部材角(l/46rad程度)ではほぼ同様な挙動を示した。更に大きな変形では、接合部せん断補強筋はせん断変形を拘束するのに有効である。接合部せん断補強筋の降伏が生じても、せん断破壊を防止できればよいという設計方針からは、日本程度のせん断補強筋量でもよい。梁主筋の接合部内での付着が良好な場合、接合部を弾性に維持するためには、接合部せん断補強筋を全補強の半分程度に配筋する必要がある。
 梁主筋の接合部内での付着の必要性を論じるためには、さらに逆S字形履歴と紡錘形履歴を有する場合について応答解析を行ない、構造物の局部的な応答塑性率が増減するかを調べる必要がある。
PDFファイル名 007-01-0152.pdf


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