種別 論文
主題 直交異方向性正方形スラブの荷重変形特性に関する実験および解析手法
副題
筆頭著者 森村毅(近畿大学工学部)
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キーワード
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先頭ページ 633
末尾ページ 636
年度 1985
要旨 1序論
 鉄筋コンクリートスラブ(以後RCスラブと称する)の弾塑性解析理論は、二つの方途から発展して来た。一つはJohansenの降伏線理論を発展させた解析理論であり、もう一つは、最近の電子計算機の発達によって発展した有限要素法による積層モデルを用いた極限解析理論である。
 Johansenの降伏線理論は1943年に体系化され、我国では、1952年坂博士によって紹介された。この方法は、現在でもRCスラプの終局耐力算定法の一つとして重宝されている。しかし、周辺固定RCスラブの場合は実験値と一致せず、スラブ厚によってはJohansennの降伏線理論の数倍に達することがある。この原因はスラブ内に生ずる面内圧縮力のアーチ作用の影響であることが1958年のA.J.Ockelestonの研究発表により判明した。それ以後、面内圧縮力に関する研究が進み、周辺固定RCスラブに面内圧縮力を考慮した終局耐力算定がいくつか発表された。中でも、有名なのが1964年にR.Parkによって発表された剛塑性帯板法による理論を展開して終局耐力を求める方法である。以上のようにJohansenの降伏線理論はRCスラブの終局耐力を求める方法として発展したが、降伏線理論を弾塑性範囲まで展開させた解析手法が1977年のP.Desayi、1982年の小森氏によって発表された。P.Desayiは荷重変形曲線をJohansen荷重と以後に分け、Johansen荷重までは板理論を、Johansen荷重以後は面内圧縮カを考慮した降伏線理論を適用し、仮想仕事式を用いて求めている。小森氏はロ、田、囲型の帯スラブ(以下部材と称する)に変動面内圧縮力を導入したe函数法を降伏線理論に適用して荷重変形曲線を求めている。さらに、筆者は直交異方向性RCスラブに降伏線理論を展開させて、直交異方向性RCスラブの荷重変形曲線式を求める方法を1983年に発表した。この方法は終局耐力までを、ひび割れ荷重以前、ひび割れ荷重以後からJohansen荷重、Johansen荷重以後の三段階に分け、各段階ごとに変形仮定を用いて、各段階の荷重変形曲線を求めたものである。その結果、実験値と比較するとよく合うことがわかった。しかし、提案式はひび割れ荷重以後からJohansen荷重までの範囲で若干波を打ちながら上昇する欠点がみられた。そこで、本論文は、そめ欠点を修正するための解析手法として、ひび割れ荷重以前と以後の二段階に分け、変形仮定法の概念を適用して、荷重変形曲線式を求め、過去の耐力実験で得た荷重変形曲線と比較検討したので報告するものである。

5結論
 以上の結果、今同のひび割れ荷重以前と以後の二段階に分けて荷重変形曲線を誘導した修正法は、当実験範囲内において十分評価できると考えられる。今後は、せん断の問題および長方形スラブにも取組む積りである。
PDFファイル名 007-01-0159.pdf


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