種別 報告
主題 温度ひびわれ発生危険度の簡易評価システムについて
副題
筆頭著者 大崎幸雄(間組土木本部)
連名者1 庄野昭(間組土木本部)
連名者2 杉山律(間組土木本部)
連名者3 河田秋澄(間組技術研究所)
連名者4  
連名者5  
キーワード
7
1
先頭ページ 657
末尾ページ 660
年度 1985
要旨 1.まえがき
 大型構造物の増大やコンクリートヘのより高度な機能の要請等に伴い、多くの構造物で温度ひびわれへの対応が要求されるようになってきた。
 温度応力問題については、古くから数多くの研究が行われており、温度ひびわれの予測方法にも種々の方法が提案されている。近年では、有限要素法も多く用いられるようになり、解析手法についてはほぼ確立したともいえよう。しかしながら、有限要素法を主体とした解析方法を数多くの構造物に適用していくのは、時間的制約、経済性の問題、対応技術者数の制約等から現実的でない場合も多い。簡易手法についてもいくつかの提案がみられる。塚山は、温度ひびわれ発生条件式として、部材断面厚さと拘束度からひびわれ発生限界となる断面中心部の最大温度上昇を誘導している。この方法は、ひびわれ発生の有無の目安を容易に算出できる利点はあるが、種々の施工条件を計算に反映し得ない。吉岡らは、単純拘束モデルによる解析結果を有限要素法による解析結果と対比することにより、この方法の妥当性を報告している。
 筆者らも、温度ひびわれ防止システムの開発の一環として、温度ひびわれ発生危険度の簡易評価システムを検討した。検討のポイントは、計算の簡素化・短時間化と計算精度という一般には相矛盾する点をどう処理するかであり、施工条件やひびわれの有無が明確である150の実構造物データによって検証を行いながら検討を進めた。
 本文では、その検討事例ならびに開発された簡易評価システムを紹介するとともに、残された2、3の問題点についても述べた。

7.まとめ
 以上、多くの構造物へ容易に利用できることを目的に開発した“温度ひびわれ発生危険度の簡易評価システム”について述べた。このシステムは, 近年急速に普及してきたパーソナルコンピュータを用い、単純モデルで計算を行うものであるが、多くの実構造物によるデータとの検証を行うことにより、ある程度の精度でひびわれ発生危険度を評価し得ることが判明した。‘
 しかし、細部については問題も残されており、今後さらにデータを蓄積して精度の向上につなげていきたい。また、今回のシステムでは、ひびわれの程度については言及していない。この点も今後の課題である。
 拘束度の評価、打継部の挙動など十分な解明がなされていないものも少くなく、あるいは新素材によるひびわれ防止効果等も合わせて幅広い研究を進めていく必要がある。
PDFファイル名 007-02-0165.pdf


検索結果へ戻る】 【検索画面へ戻る