種別 論文
主題 マッシブなコンクリート構造物の温度ひびわれ発生に及ぼす日射の影響
副題
筆頭著者 清水昭男(熊谷組)
連名者1 伊藤洋(熊谷組)
連名者2 坂口雄彦(熊谷組)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 13
末尾ページ 16
年度 1986
要旨 1.はじめに
 マッシブなコンクリート構造物における温度ひびわれ発生に関する研究は、今日のコンクリート構造物の大型化や多様化に伴って活発に行われるようになり、その発生予測・要因分析もなされつつある。そういった中で、一般に建築構造物のごとき比較的薄い壁においてひびわれ要因の一つとされている日射の影響に対し、マスコンクリートの分野では少なくとも温度変化の上ではそれが表面部に限られ、水和熱による温度上昇・降下過程に本質的にはそれほど関与せず、また日射による影響のみを抽出することも容易でないことも加わってあまり注目されていなかったように思われる。
 本論文は、こういった背景にあって、マッシブな壁体構造物が日射を受ける場合のコンクリート温度応力の挙動に焦点を当て、実大構造物を用いた実験を行い、それがセメントの水和熱に起因する温度ひびわれ発生に及ぼす影響について、数値解析結果と併せ検討を加えたものである。その結果いくつかの興味ある知見を得たのでそれらをここにまとめ報告する。
5.まとめ
 壁体構造物の一部に日射を受ける場合のコンクリート応力の変動に注目し、それが温度ひびわれ発生に与える影響を調べるために実構造物による実験および数値解折を行った。その結果、日射による見かけ上の温度変化は外気温のそれよりもかなり大きく、表面部付近は急激に温度上昇することによって膨張し、圧縮応力が作用することになるが、温度変化の影響を受けない中心部は逆に応力平衡作用によって引張応力が作用・増大することが判明した。さらに、その温度応力変化は周期が短いためクリープによる応力破和はあまり期待できず、本実験における引張応力は数時間で2〜5kgf/cm2程度増加したことが確認された。従って、日射を直接受けるマッシブなコンクリート構造物においては、日射の影響は水和熱に起因する温度ひびわれ発生の引き金的な役割を果たす可能性があると考えられ、ひびわれ予測・対策を行う上で無視できない要因の1つであると考え得る。
PDFファイル名 008-01-0004.pdf


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