種別 | 論文 |
主題 | コンクリート中の鉄筋禽食と塩分量に関する一考察 |
副題 | |
筆頭著者 | 小堀光憲(五洋建設) |
連名者1 | 永野宏雄(大成建設) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 77 |
末尾ページ | 80 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.まえがき 塩分環境下のコンクリート構造物の塩害による劣化の過程は、塩分の浸透および鉄筋の腐食という2つの潜在した段階を経て外観の変に至る。一般に、ひびわれ・剥離等の変状が発見された段階では、既に鉄筋の腐食が相当に進行しており、過大な補修が必要となる。したがって、塩分環境下のコンクリート構造物の劣化過程を早期のうちに判定し、的確な対策をとるためには、塩分の浸透程度と鉄筋腐食との関係を把捉しておくことが重要となる。 筆者らは鉄筋腐食と塩分量との関係について考察し、実構造物の鉄筋腐食調査データを用いて、鉄筋腐食に関する限界塩分量を試算したので、ここに報告する。 6.まとめ 塩分環境下に位置する実構造物の鉄筋腐食調査データ(腐食率算定範囲0.50×0.50m、腐食率10%未満のデータ棄却)を考察した結果、次の知見を得た。 (1)酸素の供給程度のばらつきによる「腐食過渡域」を考慮して、湾内の飛沫帯に位置するコンクリート構造物のデータから、鉄筋の腐食に対する限界塩分量を試算した結果、許容値としては可溶性塩分0.03wt%、全塩分で0.06wt%となる。 (2)酸素の供給が限定される海中部位、または塩害対策のたわに表面被覆を施している部位の場合は、上記の許容値は相当大きくなることが予測される。 本報で用いたデータは、暴露期間が30年から60年経過した比較的古い構造物から得たものである。これに対して、現在使用されている多くのコンクリートは、混和剤添加したレディミクストコンクリートであり、今後この種のコンクリートを使用した新しい構造物に対しても同様な調査を実施して今回提案した塩分量の許容値を検証したい。また本報では、鉄筋腐食の程度を目視により判断したデータに基づいて検討したが、鉄筋の断面ロスを定量的に求めたデータに対しても同様な考え方で検討しており、別の機会に報告したいと考えている。 |
PDFファイル名 | 008-01-0020.pdf |