種別 論文
主題 海岸付近の飛塩調査とコンクリートに浸透する塩分
副題
筆頭著者 浜田純夫(山口大学)
連名者1 日野伸一(山口大学)
連名者2 兼行啓治(山口大学)
連名者3 長谷川博(山口大学)
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 85
末尾ページ 88
年度 1986
要旨 1.まえがき
 コンクリート構造物の塩害のもとになるコンクリート中の塩分は、海砂として混入するものより、建設後、大気中に飛遊する塩分が進入するものの方が相当大きい。このために、日本道路協会の「道路橋の塩害対策指針(案)」においては、海岸から200m以内を対策の範囲内にしている。しかし、我が国における飛塩量(大気中塩分量)に関する調査及び研究は必ずしも多いものではない。また、一方ではコンクリート供試体の沿岸への暴露試験もあるが、その位置における大気中塩分量は測定されていない。大気中塩分量の多い所で塩害が多いというのも、沖縄県内及び日本海沿岸の調査から明らかである。今まで多くの調査および測定結果がありながら、定量的関係を把握する所まで至らず、残念ながら、設計に対し十分な資料とはなっていない。
 そこで、本研究では、大気中の塩分量を徹底的に調査し、この塩分がどの程度コンクリート(モルタル)に浸透するかを調べ、さらに、実験室内において、海岸付近と同量の塩分をモルタル供試体に与え、その浸透量を測定し、浸透に対する挙動を調べたものである。特に、風速と海岸との距離により、大気中塩分量がかなり異なるため、本研究における調査は、比較的風速の大きい冬期の日本海沿岸(山口県)において行った。また、塩分浸透試験にコンクリートの代わりにモルタルを用いたのは、塩分浸透試験の試料を小さくすることができるからである。
5.結論
 海岸付近の大気中塩分は海岸からの距離と風速に大きく関係している。一方、この塩分はモルタルに付着すると、モルタル内に浸透してゆき、蓄積することが判明した。つまり、モルタル(または、コンクリート)中の塩分浸透は、モルタルの材料(水セメント比)、年間の風速、及び汀線からの距離から容易に推定できる。現在のところ、モルタルへの浸透塩分調査は1年(室内促進試験においては2年相当)であるので、今後更にこの実験を継続する必要がある。また、モルタルとコンクリートの塩分浸透に関しての相関性も今後研究の必要性がある。
PDFファイル名 008-01-0022.pdf


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