種別 | 論文 |
主題 | 台湾の海洋環境下における構造物の防食法に関する基礎的研究 |
副題 | |
筆頭著者 | 佐久田昌昭(日本大学) |
連名者1 | 川上光男(日本工業大学) |
連名者2 | 陳文源(日本大学) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 89 |
末尾ページ | 92 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.はじめに 人類が人類として発展するようになったのは、鉄という金属を発見し、使用し始めた事からと言っても過言ではない。時に近代社会の生活は、金属によって支えられており、鉄鋼は現代文明に不可欠なものである。不幸にも、この貴重な材料は、常温の水と酸素の存在下で、湿食と呼ばれる腐食が発生する。省資源・省エネルギーが世界共通の目的となった現在、適切な防食手段を講じて、腐食による損失を防止することが一層重要となっている。我が国の生産・製造面から見た腐食対策費の総計は、年間3兆円に達するとの報告もある。これに腐食が原因となった操業停止、災害などの間接損失を加えれば、さらに数字は拡大する。 一般に、直接揖失と間接損失を加えた腐食損失は、腐食対策が講じられない場合は非常に大きく腐食対策がある程度以上投入されると急速に減少する。腐食損失と腐食対策の和が最小となる場合が、最適な防食対策と考えられる。しかし、防食対策はその成果の確認に長期間を必要とし、金属の腐食程度並びにその進行状況については、その設置された環境条件に大きく左右される為、現状では、必ずしも満足する最適腐食対策が講じられているとは言えない。 先進諸国では、創造的技術開発の推進として、新材料・バイオテクノロジー・宇宙開発・海洋開発等の次世代の技術革新を計り、産業構造の高度化を展開しており、腐食対策はより一層重要視されると考える。 5.まとめ 海洋環境下における鋼材腐食の事例網査より、調査対象とした台湾の沿岸域構造物においては、外観からも確認できる程度の鋼材の腐食と共に、内部鉄筋の腐食膨張による鉄筋コンクリート横造物の劣化が、観察された。亜熱帯気候である台湾の沿岸域では、日本本土と比べると著しいことを確認した。又、本実験結果より、台湾の海洋環境下で使用する塗料は、エポキシタール系・エポキシのガラスフレーク系塗料が適応性が高いことを確認した。塩化ゴム系塗料を除く他の塗料は、一長一短の被覆性能であるが、適切な選択を行えば、使用可能と考える。 |
PDFファイル名 | 008-01-0023.pdf |