種別 | 論文 |
主題 | RC建築物における鉄筋のかぶり厚さの信頼性設計手法 |
副題 | |
筆頭著者 | 和泉意登志(竹中工務店) |
連名者1 | 嵩英雄(竹中工務店) |
連名者2 | 押田文雄(竹中工務店) |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 101 |
末尾ページ | 104 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.まえがき 近年、省資源・省エネルギーが社会的要請となり、建築物においても耐用年数の向上が重要な課題となっている。新設建築物の耐用年数を向上させるためには、機能的、社会的、経済的観点からの耐用牲および物理化学的な耐久性の向上が必要であり、物理化学的な耐久牲の向上を図るためには、具体的な設計・施工技術を確立することが必要である。建築物の設計者は、常に耐久性を考慮した設計を行ってきたはずであるが、定量的な算定手法は標準化されていないのが現状であろう。 コンクリート工学分野においては、構造物または部材の経時的な品質特性を耐久性とか寿命などという言葉で表現してきた。これらの言葉については、定性的な定義はあっても、定量的な定義を持っていなかった。このことが、耐久性設計とか寿命予測などの定量的な定算法を確立する上での障害となっていたのではないかと思われる。他の工学分野においては、第2次世界大戦以後、信頼性工学が電子工学やシステム工学を中心として急速に発達し、さまざまな工学分野に普及しつつある。信頼性工学では、信頼性を「アイテムが与えられた条件で規定の期間中、要求された機能を果たすことができる性質」(JISZ8115)と定義し、耐久性を含むより広い概念として用いている。信頼性を定量化し、確率で表わしたものが信頼度である。この信頼度を数量的に扱うことによって、設計、予測などを定量的に算定することが可能となっている。 コンクリート工学においても、耐久性の設計とか寿命の予測を行うためには、信頼性工学における定量的な考え方を導入する必要があると考える。まず最初に必要なことは、(1)対象とは何か、(2)その適正な機能とは何か、したがって故障とは何か、(3)規定の使用環境、(4)規定の時間、を明記することである。 筆者らは、第6回の本講演会において、信頼性工学の考え方を導入した「鉄筋のかぶり厚さの信頼性設計の基本的考え方」を提案した。本報告は、この手法を応用し、RC建築物における鉄筋のかぶり厚さの設計手法および仕上げ材やコンクリートの品質選定手法を具体例で示したものである。 5.まとめ 鉄筋の腐食による構造物の故障を、鉄筋の腐食確率で数値的に定義した。この腐食確率を設定することによって、コンクリートの中性化に起因して鉄筋が腐食する場合における、鉄筋のかぶり厚さを種々の条件において求め、実用に供しえる数値表にまとめた。 |
PDFファイル名 | 008-01-0026.pdf |