種別 論文
主題 オートクレーブによる海砂コンクリート中の鉄筋の発錆と防食に関する研究
副題
筆頭著者 枝広英俊(芝浦工業大学)
連名者1 依田彰彦(足利工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 129
末尾ページ 132
年度 1986
要旨 1.まえがき
 十分除塩されない海砂を用いると、コンクリート中の鉄筋の腐食は著しく進行し、コンクリートのひび割れの発生やかぶりコンクリートの剥落を引き起こし、さらに構造物としての安全性も損なわれる。そのため、昨今では塩分許容値の厳守や総量規制化の導入、及び設計・施工上の対策などが見直され、耐久性向上を図る提案が数多くなされている。しかし、コンクリート中の鉄筋の腐食機構は雑雑であるため十分解明されているとは言い難く、さらに防食対策についても未だ不十分なのが現状であろう。
 そこで本研究では、昨年の報告に引き続き、改めて角柱の供試体を製作し、十分除塩されていない実際の海砂を用いたコンクリート中のみがき鉄筋や黒皮鉄筋、及び各種表面処理などを施した縦筋と横筋に対し、オートクレーブによる腐食の促進試験と屋外自然暴露試験を行うことによって、塩分濃度の違いが発錆に及ぼす影響を水セメント比及びセメントの種類、ならびにかぷり厚さの違い、縦筋と横筋の差異で比較し、併せて防食を目的とした各種表面処理鉄筋に対しその効果を検討した。
7.まとめ
 実際の海砂を用いたコンクリート中のみがき鉄筋や黒皮鉄筋、及び防食を目的とした各種表面処理を施した鉄筋などに対し、オートクレーブによる腐食の促進試験を行った結果、以下の事柄を確認した。(l)塩分濃度差とサイクル数による影響は顕著に現われ、苛酷な条件程発錆面積率は大きい。(2)オートクレーブによる促進試験では赤錆と黒錆が生じたが、材令1年の自然暴露試験では赤錆のみ生じ、腐食生成物に幾分違いがある。(3)水セメント比が大きく、かぶり厚さが少ない程発錆面積率は若干多いが、本促進試験方法の結果では部分的にばらつきを生じている。(4)横筋と縦筋で比較するとサイクル数や条件によって異なるが、横筋が約2〜5倍多い。(5)みがき鉄筋は、表面処理の有無や表面の凹凸などによって、他の鉄筋に比べて発錆が多い。(6)引張応力を受けひずみを生じた降伏鉄筋は、載荷していない黒皮鉄筋に比べて発錆面積率は若干増大する。(7)表面処理を施した鉄筋は、本促進試験において防食効果が認められたが、一部の鉄筋に引張強さやコンクリートの付着強度の低下の疑いがあり、施工法を考慮した対応が必要である。(8)自然暴露試験との相関は一応認められたが、今後の長期材令の結果を待って検討したい。
PDFファイル名 008-01-0033.pdf


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