種別 | 論文 |
主題 | 塩分浸透を受けたコンクリート構造物の実態調査 |
副題 | |
筆頭著者 | 長内進(東京電力) |
連名者1 | 宮本幸始(東京電力) |
連名者2 | |
連名者3 | |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 145 |
末尾ページ | 148 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.まえがき 東京湾内のような比較的波浪条件の厳しくないところでも、干満帯、飛沫帯にあるかぶりの少ないコンクリートでは、外部からの浸透塩分により一定年月の経過と共に、いわゆる「塩害」による劣化が見られることがある。コンクリート構造物の塩害のバターンは、海砂の使用などによる塩分あるいは海洋環境下で外部から浸透する塩分の影響によって鉄筋が腐食し、この腐食膨張圧によってコンクリート裏面部に鉄筋に沿ったひびわれが発生したり、浮き、はく離を伴った損傷を呈するものと考えられる。塩害で劣化が進行したコンクリートの補修は、以後の劣化進行を防止するため、腐食鉄筋周辺の塩分浸透したコンクリートをはつりとり、鉄筋防錆処理、断面修復の後にコンクリート表面に塩分浸透防止の塗装を行うなど、大がかりなものとなることが多い。このため塩害発生の可能性について的確に診断し、早期に対災を講じることが、経済的な設備の維持管理にとって重要なこととなる。塩害に対する耐久性の評価については、外観の変状調査、コンクリート中の塩分量の推定などが有力な手段となろう。 本報告は、湾内の塩分環境下に立地するコンクリート構造物の維持管理に関する劣化判定規準確立の一環としてその基礎資料を得ることを目的に、同種環境に30〜60年間暴露されていた実構造物の実態調査の結果ならびにその評価について述べたものである。 4.まとめ 以上、今回の調査結果によって、ひびわれ密度を種とした外観の変状よりコンクリート内部状況である鉄筋の腐食を半定量的に求めることができ、これを目視による劣化判定の一部に反映させることが可能であることがわかった。また、鉄筋腐食の限界可溶性塩分は0.02〜0.03wt%というデータ得られた。しかし、今回得られたデータは場所、環境、コンクリートの品質など種々の条件において限定されたものである。塩分環境下のコンクリート構造物の劣化判定基準の確立のために、さらに異なった環境、構造物等のデークを蓄積、分析し、その結果を反映させていく予定である. |
PDFファイル名 | 008-01-0037.pdf |