種別 | 論文 |
主題 | 高炉スラグ骨材コンクリートのアルカリ反応に対する安定性 |
副題 | |
筆頭著者 | 山本親志(住友金属工業) |
連名者1 | 千賀平造(神戸製鋼所) |
連名者2 | 森山容州(新日本製鉄) |
連名者3 | 沼田晋一(新日本製鉄) |
連名者4 | |
連名者5 | |
キーワード | |
巻 | 8 |
号 | 0 |
先頭ページ | 157 |
末尾ページ | 160 |
年度 | 1986 |
要旨 | 1.まえがき 高炉スラグはコンクリート用骨材や高炉セメントなどの結合材として古くから使用されているが、高炉スラグ骨材のアルカリ骨材反応(AAR)について検討した報告は少ない。AAR抑制方法として、フライアッシュなどのポゾランや高炉スラグ微粉末が使用されているが、その抑制メカニズムは十分には明らかでなくまたポゾラン類と高炉スラグの抑制メカニズムの違いについても明らかでない。これら混和材の使用は結合材中のアルカリ量の希釈効果として説明されることもあるが、高炉スラグの場合相当量にアルカリを含むものがあるのでこれだけでは説明できない。前者のポゾラン類としては、けい藻土やオパール質けつ岩のようにオパールに富むものおよび火山灰、凝灰岩、フライアッシュ、シリカフュームなどのガラスがあるが、これらは骨材とした場合は反応性物資となるものが多い。これらポゾランは微粉末に砕いて用いると、これらの反応性が強いためにアルカリシリカ生成物中のアルカリとシリカの比が小さくなり非膨張性の生成物を得て、抑制効果を発揮するという説明が有力視されている。一方急冷スラグも化学的活性の高い材料であるが、それ自体が上述のポゾラン類のように有害な反応性を示すものであろうか。もしそうであれば急冷した高炉スラグを骨材に用いることは危険となるおそれがある。本報告は、結晶質であるが冷却速度が異なるとみられる徐冷の高炉スラグ、ガラス質の急冷した高炉スラグを骨材とした場合および急冷高炉スラグを微粉砕して混和材とした場合についてアルカリ作用に対する安定性の検討を行い、高炉スラグが粗骨材、細骨材、混和材又は結合材いずれの形態で使用してもアルカリに対して安定であることについて検討した。 4.あとがき 高炉スラグは徐冷、急冷いずれの形態であってもAARに対し安定的である。(1)化学法のSc、Rcは非常に小さく無害域に属するが、NaOH溶液によって急冷スラグは水和し、スラグの水和硬化体の内にとり込まれるが、小量存在する残液(ろ液)のSc、Rcも小さいことから、硬化体内の細孔液もこれと大差ないとみられる。(2)モルタルバー法における有害な膨張は認められない。(3)高炉スラグ微粉末はAAR抑制効果に有効で、ASTMC595の14日許容膨張0.02%以下に対しては、スラグ置換率40〜50%必要である。 以上のことから高炉スラグに天然の反応性骨材であるけつ岩や凝灰岩とアルカリ反応のメカニズムが異なるとみられる。またAAR抑制に必要なスラグ置換率については今後さらに多くのデーターから判断することが望ましい。 |
PDFファイル名 | 008-01-0040.pdf |