種別 論文
主題 流動電位によるアルカリ反応性骨材の判定に関する実験
副題
筆頭著者 福田禮一郎(ユニット建築設計事務所)
連名者1 笠井芳夫(日本大学)
連名者2 飛坂基夫(建材試験センター)
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 161
末尾ページ 164
年度 1986
要旨 1.はじめに
 アルカリ反応性骨材によるコンクリートの劣化防止のため、骨材の反応性を事前に判別することは工学的にかつ社会的にも意義深く、また重要な課題である。その判別方法は鉱物学的、岩石学的、物理学的、促進試験などのにより試みられている。一般的に試験規準としてはASTM C295(コンクリート用骨材の岩石学的試験方法)、C289(骨材の潜在反応性試験方法)、C586(コンクリート骨材としての炭酸塩岩石の潜在アルカリ反応性試験方法)、C227(セメント骨材の組合わせによる潜在アルカリ反応性試験)などかある。ここでは、電気化学的手法のうち流動電位の測定によるアルカリ反応性骨材の判別を流みた。
 濡れた骨材は液体と個体とが相接している状態にあるか、このように個体、液体あるいは気体などがそれぞれ接触すると、その界面にイオンが分離する。
 Coehnの説によると、このイオンの性質は、「2つの物質が相接した場合、界面に発生する電化は誘電率が大きい物質の側が「+」 となり、小さな物質の側が「−」となる」とされている。そして、その接触界面から数オングストローム離れた位置のイオン分布状態は「+」、「−」イオンが均等に分布しておらず、片寄っている。
 このように片寄ったイオン分布状態を界面電気二重層という。固体−液体の界面は図-1のように固着液層と可動液層とを形成している。
 固体側に吸着されている固着液層は非可動液層であるが、そこから離れた位置の液体は可動液層であって、液体の流れによってイオンが移動することができる。この部分のイオンの密度差、つまり電位差を定量的に測定することができる。これを流動電位又はζ電位として表し、この実験で求めようとしているものである。一方、固着液層と可動液層(拡散層)の電位差の合計を全電位又はε電位として求めることができる。
 これまでの実験では普通骨材の流動電位を求めたが、この実験ではアルカリ反応性骨材などの中道電位を求めた。その結果、流動電位手法がアルカリ反応性骨材の判別に寄与しうるか否かを検討した。
 まとめ
 この実験から判断する限り、アルカリ反応性骨材などを流動電位とそのイオンの正負とから判断しうる可能性を示している。無害骨材などを含めて更に多くの試料を用いて精度を高める必要がある。
PDFファイル名 008-01-0041.pdf


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