種別 論文
主題 安山岩およびチャート質骨材のアルカリ反応性
副題
筆頭著者 森野奎二(愛知工業大学)
連名者1 紫田国久(愛知工業大学)
連名者2
連名者3
連名者4
連名者5
キーワード
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先頭ページ 165
末尾ページ 168
年度 1986
要旨 1.まえがき
 近年、安山岩砕石とチャート質骨材がアルカリ反応性骨材として、注目されている。これらの岩石は、反応性を検討するときに対象となるような微細レベルでは、岩質の変化が著しい。安山岩は、マグマの性質、噴出状態および風化の程度によって、クリストバライト、トリジマイトおよび火山ガラスの含有量が多様に変化し、反応性が異なる。チャートは、ほとんどシリカから成るので、堅く透明度が高い。岩色は透明〜白色の他に、極微量含まれる鉄、マンガン、粘土鉱物、炭質物などの不純物によって、赤褐色、緑、黒色などに変化し、多様な外観を示す。これらのチャートは、その生成時の堆積環境によって、チャートを構成する石英の粒径および玉髄やオパールの含有量が変化し、反応性が異なる。
 一方、骨材の反応性を調べるには、通常ASTMC289化学方法およぴASTMC227モルタルバー法による試験が実施される。目下、C227モルタルバー法の結果によって骨材の合否が決められる場合が多い。この試験に用いる試料は、上述のように多様で変動しやすいので、試験結果は、基本的に或る程度のばらつきを内蔵したものと言えよう。また、同一岩質の骨材であっても、それに作用するアルカリ量によって膨張量は大きく異なる。その他、安定な骨材を混合することによって膨張量が増大するペシマム現象なども、骨材の反応性の評価を難しくしている要因であろう。
 本研究は、一定の地域内にあって、通常同一岩質とみなされている安山岩砕石とチャート質山砂利を用いて、いろいろな条件でアルカリ反応性試験を行い、試料の微妙な相違や試験条件によって、膨張率あるいは反応速度等がどのように変化するかについて検討したものである。
4.結論
 狭い地域から採取した数種の安山岩とチャートの反応性ついて検討した結果、次のような結論が得られた。
(1)或る種の安山岩は、アルカリ量がNa20当量0.8%程度では、骨材単独使用では、ほとんど膨張を示さないが、不活性な骨材を80%程度混合すると著しく膨張するようになる。
(2)安山岩骨材のペシマム条件下では、膨張が早く起こるタイプ、ゆっくり起こるタイプおよぴ中間のタイプに分類することができる。このような膨張挙動は、安山岩中に含まれる反応性鉱物の種類とその含有量に支配され、特に火山ガラスの影響が著しいようである。従って風化した安山岩の膨張は少ないように思われた。
(3)使用したチャートは、c289化学方法によると有害骨材であるが、モルタルバー試験では、アルカリがNa20当量0.8%程度で、全く膨張せずペシマム現象も現れない。アルカリ量を1.2%に増加し、不活性骨材を30〜50%混ぜると、大きく膨張するようになる。
PDFファイル名 008-01-0042.pdf


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