種別 報告
主題 アルカリ・シリカ反応に及ぼす混和剤の影響
副題
筆頭著者 二村誠二(大阪工業大学)
連名者1 福島正人(大阪工業大学)
連名者2  
連名者3  
連名者4  
連名者5  
キーワード
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先頭ページ 173
末尾ページ 176
年度 1986
要旨 1.まえがき
 アルカリ・シリカ反応によるコンクリート構造物の劣化・損傷事例は、関西地方を中心として報告されているが、反応性の認められる骨材の存在は、全国的な規模にまでその広がりを見せており、早急な対応策が望まれている。このような劣化被害を防ぐためには、有害な反応性骨材に対する的確な判定試験法の確立も望まれるが、コンクリート中の総アルカリ量に対する許容量の検討も必要である。
 コンクリ−ト中に導入されるアルカリとしては、(1)主としてセメントからNa2SO4やK2SO4の硫酸塩の形で供給されるもの、(2)海産骨材に付着しているNaClやKClとして供給されるもの、(3)混和材中に含有されているアルカリ成分が供給される場合、(4)骨材中に含有されるアルカリゼオライト等のNaが、セメントやのCa2+イオン交換して供給される場合および(5)外部環境(梅水・土壌等)から供給される場合などが考えられる。そこで本研究は、セメント以外から導入されるアルカリ成分のうちで、主として各種の混和剤から供給されるアルカリ成分がモルタルバーの膨張におよぼす影響について、実験的に検討したものである。
4.むすび
 各種の混和剤がアルカリ・シリカ反応によるモルタルバーの膨張に及ぼす影響について検討した結果をまとめると、ほぼ次のようなことが言える。
(1)AE滅水剤でCaCl2を含有するものは、それによるアルカリ増加量は少なくても、モルタルバーの膨張を促進させる。これはCl-イオンの影響と思われるが、さらに詳細な検討が必要である。
(2)流動化剤はその化学構造や他の混合成分によって、モルタルバーの膨張促進効果は異なるが、混入による影響は大きいと言える。これに海砂からのNaClが添加されると、その量に応じて、さらに大きな膨張を示す。
(3)高性能滅水剤のNa塩をCa塩とすることにより、モルタルバーの膨張を抑止することができる。しかしながら、これにNaClが添加されると、Na塩のものと同程度の大きな膨張を示すので注意を要する。
(4)この原因について、細孔溶液中の化学成分分析結果から検討すると、NaClの添加がアルカリ・シリカ反応による、モルタルバーの膨張を極端に促進させたものと推測される。
(5)各種の混和剤からコンクリ−ト中へ導入されるアルカリ量はそれ程多くはないが、それによる膨張促進効果は極めて高いので、Weightを考慮に入れたコンクリ−ト中の総アルカり量の検討が必要と思われる。
PDFファイル名 008-01-0044.pdf


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